装備も充実した3.6L+6速DSGがやはりおいしい
ベースである旧型パサートは、地味ですが非常によくできた車。しかし華やかさに欠ける分、中古車ではおいしく買えます。ベースがセダンというのを忘れてしまいそうなくらい、上質なインテリア。メーター類は当時の同社のフラッグシップであったフェートン(日本未導入)と同様のホワイトイルミネーションを備えています。また全グレードともパドルシフトを装備
対して「ラグジュアリークーペ」を標榜するこのCCは値落ちがゆっくり。登場して5年が経ち、ようやく新車時の半額以下になってきたという次第です。
それも仕方がありません。見た目だけでなく、中身もラグジュアリーなクーペ、つまり装備が充実しているのですから。
例えばシートはナパレザーに覆われたスポーツタイプのシート。しかも横幅はセダンに対して35mm拡大しているにもかかわらず、後席は2座という贅沢ぶり。ただし2011年1月の改良で普通の3座になってしまいましたが……。
インパネを横に貫くトリムは、2Lターボモデルがヘアライン仕上げのアルミ(アルミ調ではないですよ)、3.6Lモデルがバボナウッド。ステアリングもセダンとは違う、専用の3本ステアリングホイールを備えます。
シート素材のナパレザーは柔らかくてきめの細かい高級皮革。さらにハンドメードによって仕上げられています。フロントシートは電動ランバーサポート付きのパワーシート。リアシートの間には大型のアームレストを装備
オーディオはiPodやUSBデバイスを接続できるタイプが標準で備わります。そのほかHDDナビ、DVD/CDプレーヤーなどが付き、それらをステアリング上のスイッチで操作ができます。またETC車載器も標準装備。
さらに3.6Lモデルは出力600W+10スピーカーのプレミアムサウンドシステムを搭載しているほか、アダプティブクルーズコントロールや、R36同様乗り心地やステアリングの感覚を3段階(ノーマル、コンフォート、スポーツ)に切り替えられるアダプティブシャシーコントロールも備えています。
ちなみにR36は「R」と付くくらいですから、エンジンや足回りにはスポーティな味付けがされているため、CCの3.6Lモデルとは性格が少し異なります。なにしろCCはラグジュアリークーペなのですから。
とはいえ最高出力220kW(299PS)/最大トルク350Nmは同じ。0-100km/h(停止から100km/hに加速するまで)に至っては5.6秒と、R36の5.8秒より速いのです。
一方の2Lターボは、3.6Lモデルと比べれば力強さこそないものの、上質な洒落たセダンを転がすという意味では、これはこれで十分その目的が果たせている車。ただし、新車時価格で約100万円あった差が中古車価格ではほとんどなくなっています。そう考えると、やはり3.6Lモデルのほうがおいしいのではないでしょうか。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
【関連リンク】
カーセンサー