徹夜でテスト勉強は無駄? 脳に定着させたいなら十分な睡眠を

暗い中作業する女性

徹夜明けの朝に気分がハイになるのは、理由があります


試験や締切の前日に、徹夜をして勉強や仕事をする人は多いことでしょう。眠らずに頑張ればそれだけ長時間、勉強や仕事ができますから、眠った時に比べて記憶や仕事の量が増えます。しかし、徹夜して一夜漬けで覚えたことは、時間とともに急速に忘れ去られてしまうのが現状です。記憶は眠っている間に脳に定着しやすいため、勉強の後に十分な睡眠をとると長く覚えていられるのです。

<目次>  

徹夜のメリット・デメリット……血圧の上昇、睡眠障害など

徹夜をしても勉強や仕事の能率は上がりません。朝、目覚めてから13時間たつと、作業能率が低下し始めます。17時間以上起きていると作業能率は、血中アルコール濃度が0.05%と同じレベルになってしまいます。これは自動車を運転していれば、「酒気帯び運転」と判定されるほどのアルコール濃度です。

徹夜は体にも大きなダメージを与えます。たとえば、翌日の血圧は1日中、10mmHgも高いままになってしまいます。血圧を下げる薬の効果は、1剤あたり10~20mmHg下げるのがやっとですから、徹夜をすると降圧剤の効果がなくなってしまうということです。また、徹夜仕事が続くと、睡眠と覚醒のリズムが不規則になり、さらに体温や血圧、ホルモン分泌など、他の生体リズムも狂ってしまいます。そのため、極端な宵っ張りの朝寝坊になる「睡眠相後退症候群」や、睡眠時間がバラバラになる「不規則型睡眠覚醒パターン」などの睡眠障害を起こすこともあります。

その一方で、徹夜は、うつ病の患者さんの治療法としても用いられています。いわゆる「断眠療法」です。これは医師の指導のもとで、うつ病の患者さんに徹夜してもらい、うつ症状の回復を図るというものです。日本ではあまり行われていませんが、ヨーロッパなどでは抗うつ薬が効きにくい人などに行われます。有効率は約6割で、抗うつ薬と同じくらいと報告されています。健康な人が徹夜した朝に気分がハイになるのも、同じようなメカニズムによると思われます。詳しくは、「うつ病にも効果的! 気持ちがハイになる断眠療法とは」をご参照下さい。
 

覚醒ホルモン「セロトニン」と睡眠の関係

眠気覚ましはいくつか組み合わせると、さらに効果的です

眠気覚ましはいくつか組み合わせると、さらに効果的です


光と眠気との関係には、覚醒のスイッチであるセロトニンが深く関わっています。明るい光は、睡眠ホルモンのメラトニンを抑え、覚醒物質のセロトニンを増やします。そのため、窓辺で光を浴びているだけでも、眠気を減らせますし、夕方から夜の眠気を何とかしたいときには、コンビニエンスストアなど明るい店へ行くと、メラトニンが減って眠気が収まります。

覚醒系のセロトニン神経は、リズムがある運動をすると活発になります。眠気覚ましにガムをかみますが、顎のリズミカルな運動が覚醒系神経を活性化しているのです。ほかにも、ウォーキングやジョギング、首回し運動、水泳、ゴルフのスイング練習、深呼吸、歌を歌うことなどでもセロトニンが増えてきます。

徹夜のあと休めるのなら、サングラスなどで光を遮りながら家に帰り、カーテンを引いて昼まで眠ってみます。そして夜はいつもより少し早目に寝床に入りましょう。この一連の流れが睡眠不足の解消に繋がるかもしれません。
 

徹夜明けに起きていなければならない……眠気に打ち克つ対処法

徹夜明けにも仕事や学校などで、起きていなければならないときは、日中の眠気を何とか抑えて、夜は早めに眠りましょう。日中の眠気対策ポイントは、交感神経、カフェイン、おしゃべり、仮眠です。

■温・冷刺激で交感神経を刺激
自律神経のひとつである交感神経が活発になると、目が覚めて眠気が吹き飛びます。冷たい水で顔を洗ったり、熱いおしぼりで顔をふいたり、熱いお湯や冷たい水のシャワーを浴びたりすると、温冷刺激が交感神経を活発にして、心身をシャキッと目覚めさせてくれます。

■カフェインで睡眠促進物質をブロック
カフェインは、脳にたまる「睡眠促進物質」の働きをブロックして、眠気を抑えてくれます。ただし、目覚まし効果が現れるまでに、20~30分ほどかかるので少し早めにとりましょう。なお、若年層なら1~2時間、高齢者でも3~4時間で効力が半減します。運転中などは、眠気が復活する前にカフェインの再投入を。

■積極的な会話で脳を活性化
1人で静かにしていると、知らないうちに眠ってしまいます。そんな時は、誰かと積極的に会話しましょう。人とコミュニケーションをとることによって、脳が活性化し眠気が減っていきます。特に、日中の眠気のピークである午後2~4時には、来客や訪問の予定を入れておくと、日中の睡魔リスクを回避できます。

■眠気覚ましには仮眠が一番
どうしても睡魔に勝てなくなったら、いさぎよく20分ほどの仮眠をとりましょう。午後2~4時の眠気のピークに仮眠しても良いですし、その前のランチライムに昼寝するのもOKです。仮眠の前にカフェインをとっておくと、ちょうど目覚めた頃にカフェインが効いてくるのでおすすめです。

眠気対策についてもっと詳しく知りたい方は、「眠気のコントロール法」も併せてご覧下さい。

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