Q. 「夜、寝ている間に熱中症で死んでしまうことがある」って本当ですか?

Q. 「熱中症による搬送者が増えているというニュースを見ました。『眠っている間に熱中症になって死んでしまうことがある』という話も聞きますが、本当でしょうか? 室内で、しかも気温が下がるはずの夜に、命にかかわるほどの熱中症リスクがあるとしたら心配です。エアコンはつけたまま眠っていますが、他に気をつけたほうがいいことはあるのでしょうか」
A. 就寝中の熱中症は非常に危険です。正しく対策して予防しましょう
重度の熱中症というと、炎天下で無理をしてスポーツや作業をしているときに起きるものだと思っている方が多いかもしれません。しかし、1日の中でも気温が下がる時間帯の夜に、眠っている間に熱中症で亡くなってしまうケースは実際に報告されています。
東京消防庁のデータによると、熱中症で救急搬送された人のうち、深夜0時から午前6時の夜間搬送は全体の約4%に過ぎませんでした。ところが、東京都監察医務院が熱中症による死亡と判断した人数を見ると、日中38人に対し夜間は40人と、搬送者数の割合とは逆に夜間のほうが多くなっていました。夜間は熱中症になる人自体は少ないものの、いったんなると重症化しやすい可能性があると分かります。
原因としては
- 暑い中で1日を過ごし、水分や塩分を失ったまま眠りについてしまうこと
- 熱帯夜で体温がうまく下がらず、眠っている間にも大量の汗をかいてしまうこと
などが関係していると考えられます。
夏に一晩でかく汗の量は、500mL以上になることもあります。その分を補給しないまま眠り続けると脱水症状が進みます。さらに、屋内で熱中症になり亡くなった方のうち85.2%はエアコンを使っていなかったというデータもあります。エアコンの使用が、夏の夜に命を守る鍵になりそうです。
特に高齢者は、暑さや喉の渇きを感じにくいうえ、夜間のトイレを気にして水分摂取を控えがちなため、リスクが高くなります。『厚生労働省の人口動態統計』によると、2024年の熱中症による死亡者数は年間2160人と過去最多を更新しています。命にかかわる熱中症は、誰にとっても決して他人事ではないのです。
眠っている間の熱中症を予防するためには、以下のような対策法が有効です。
- 日中のうちに十分な水分と塩分を補給しておく
- 寝床につく30分ほど前からエアコンをつけて寝室を26度以下に冷やしておく
- エアコンは朝まで使用し、夜間に切らないよう心掛ける
- 扇風機を対角線上に置き、エアコンと併用して空気を循環させる
- 高齢者には、水分補給とエアコン使用についてひとこと声を掛ける
睡眠中の熱中症は、気付かないうちに進行してしまうからこそ危険です。「夜は涼しいから大丈夫」「暑い日中が大丈夫だったから、少しくらい蒸し暑くてもがまんできる」という思い込みは捨ててください。適切な水分補給とエアコンの活用で、上手に熱中症を予防しましょう。
さらに詳しく知りたい方は、「睡眠中の死亡者も…命を守る夜の熱中症対策法」をあわせてご覧ください。







