洗面所リフォームの小さなアイデアで暮らしは格段に便利に
洗面所がいいと毎日の生活が格段に便利になります。リフォームの際の小さなアイデアで、より快適でおしゃれな洗面所にしましょう。水まわりですから壁紙や床選び、そして収納や照明にもこだわりたいもの。メイクの出来栄えも、家事スピードも洗面所次第です。
洗面所リフォームの相場費用は、機器交換だけなら10万円前後~、内装や収納まるごと新しくするなら20万円~50万円ほどが目安です。それではリフォーム成功のための3つのポイントと、より完成度を高めるワンポイントアイデアをご紹介します。
〈目次〉
- 照明と鏡に注意!メイクの出来栄えは洗面所次第
- 洗面所のコンセント不足、洗面台の高さに注意
- 壁紙と床、窓に注意!洗面所が健康を左右する
- 壁紙と床材選びが大切、おしゃれなクッションフロアも
- 洗濯のしやすさに注目!洗面所は家事室である
- ユーティリティ化で収納確保&家事ラク
照明と鏡に注意!メイクの出来栄えは洗面所次第
<リフォームのポイント-1>
洗面所は暮らしの中で様々な機能を担っています。まずは洗顔、歯磨き、手洗い、男性の場合は髭剃り、そして女性はメイクをする人も多いことでしょう。そこで、洗面所リフォーム成功のポイント1つめは、パウダールームとして使いやすい工夫をしておくことです。パウダールームとしての設えで大事なポイントとなるのは、照明と鏡の選び方です。美を追及しているあるタレントさんは、メイクの時は必ず朝にベランダに出るのだとか。朝の自然光でまんべんなく顔を照らすことで、むらなく美しくお化粧ができるからです。テレビ局のメイク室も、鏡の上にたくさんの照明が並んでいて、顔に影を作らないようになっています。
洗面所リフォームの際には、メイクが美しく仕上がるよう、照明計画にも注目してみましょう。理想は自然光がたっぷり入るようなプランにすることですが、壁面は鏡や収納でいっぱいで、窓を大きくするのは難しいと言う家も多いことでしょう。
そんな時は、壁の高い位置、ミラーキャビネットの上部に取り付けるランマ窓や、天窓を付けるリフォームをすれば、北側の洗面所も明るくなります。
窓が無い洗面所の場合は、顔を明るく照らす照明器具が付いたミラーキャビネットを選んでリフォームすれば、メイクがしやすくなります。最近ではお化粧がしやすいよう、鏡が顔に近い位置まで飛び出してくる洗面台もありますので、自分のスタイルにあったタイプをじっくり選びましょう。
パウダールームは化粧品などの小物が多く、洗面台の収納だけでは不足しがちです。しまってあるモノがひと目で見渡せ、小物がたっぷり収納できるよう、壁の厚みを活用する壁埋め込み収納や、壁面に奥行き5cmほどの棚を取り付けるなどのアイデアで収納スペースを確保しましょう。
洗面所のコンセント不足、洗面台の高さに注意
〈ワンポイントアイデア〉
洗面所ではコンセントが不足しがちです。リフォームの際には増設と位置の見直しを行っておきましょう。充電用、ドライヤー用、髭剃り用以外にも、足元に暖房用、天井近くに扇風機用を付けておくと便利です。また注意したいのが洗面台の高さです。高すぎると、顔を洗う時に水が腕を伝わってヒジから落ち、床が水浸しになってしまいます。逆に低すぎると今度は腰痛の原因になることも。使いやすい高さは「身長÷2」cm程度を目安にしましょう。
壁紙と床、窓に注意!洗面所が健康を左右する
<リフォームのポイント-2>
浴室の隣にある洗面所では、服を脱いで裸になったり、びしょ濡れの身体を拭いたりします。当然湿気が多く、また北側にある洗面所では冬は震えるほど寒くなってしまうことも。洗面所リフォームを成功させるポイントの2つめは、脱衣室として快適なプランにしておくことです。洗面所を手軽に暖かくする内窓の取り付けリフォーム。暖房を付けても窓の性能が低いと寒いまま(YKK AP)
冬でも暖かい洗面所なら、脱衣の時だけでなく、朝の洗顔時も快適になります。そこで忘れがちなのが窓の断熱リフォームです。
窓が1枚ガラスのままでは、窓から冷気がどんどん入り込み、小さな暖房では部屋の中を暖めきれません。リフォームの際には、2枚ガラスに交換したり、内窓を取り付けたりして窓の断熱性能を上げ、寒さ対策をしておきましょう。
高齢者がいる家庭では、脱衣室を暖かくしておくことで、ヒートショック現象を防いでいくことができます。ヒートショック現象とは、寒い脱衣室からお風呂場へ、そして熱いお湯に入るというような急激な温度差によって、血圧や脈拍が大きな変化を起こすことを言います。
ヒートショック現象は身体に大きな負担を与え、高齢者の家庭内における死亡事故の原因のひとつになっています。寒い洗面所は健康によくありません。安全に快適に暮らすためにも洗面所を暖かく保つ工夫をしておきましょう。
壁紙と床材選びが大切、おしゃれなクッションフロアも
〈ワンポイントアイデア〉
洗面所は湿気が多いので、床は腐りやすく、壁や天井はカビがはえやすい状況にあります。築20年程度の家では、床面だけでなく、大引きや土台といった床組まで腐食しているケースも少なくありません。洗面所のリフォームでは、タイルやクッションフロアなど水に強い床材を選びましょう。最近のクッションフロアはデザインが優れ、おしゃれなテイストのものがたくさんあります。
壁は調湿機能を持った水に強い壁紙や、珪藻土や漆喰などの塗り壁材、エコカラットのような機能性タイルなど、湿気に強い壁材を選びましょう。今貼ってある壁紙の上から塗ることができる100%自然素材の塗り壁もあります。自然素材は調湿作用があるので、いつもサラサラ、カビも防いで気持ちのいい洗面所にしてくれます。
黒大理石柄のクッションフロア。洗面所に手軽に使える床材(サンゲツ)
洗濯のしやすさに注目!洗面所は家事室である
<リフォームのポイント-3>
洗面所に洗濯機が置いてあれば、そこは家事室としての役割を持ちます。リフォームの際には、洗濯物を入れる前と、洗い終わった後の作業をスムーズにできるよう工夫しておくと、家事が格段に楽になります。というわけで、洗面所リフォーム3つめのポイントは、家事室としての洗面所プランを考えてみましょう。洗濯機に入れる前に必要な動きは、洗濯物の仕分けと下洗いです。洗濯機のそばに、作業カウンターや大きめのボウルがついた洗面台があると、それらの家事がラクにこなせるようになります。また手元が明るくなるスポットライトを取り付けておくと、夜でも洗濯物の汚れがよく見えて便利です。
洗濯機のそばに部屋干しユニットを取り付ければ、洗濯機から出してすぐ干せる(洗面所のユーティリティ化リフォームで、家事ラク生活より)
洗濯機から出したら、今度は乾燥機に入れたり、干したりします。この干すという作業が意外と重労働で、洗濯機~物干し場までをスムーズにしておくと、洗濯がぐんとラクになります。
部屋干しの場合は、洗面所の天井に部屋干しユニットを取り付けると、洗濯機から出したすぐその場で干せるので便利です。外干しの場合は、洗面所からの移動距離や経路を再確認してみて下さい。水まわりのリフォームの際には、一緒に洗濯機や物干し場の位置を見直すことで、今後の家事の手間が変わります。
加えてどこでアイロンを掛けるのか、どこで畳んでしまうのかなど、洗濯にかかわるすべての動きがスムーズにつながるよう計画すると、無駄な動きが減って、家事が効率よくできるようになります。
さらに洗濯には洗剤、柔軟剤などのストック品が多いのも特徴です。吊戸棚や床下収納を上手に活用して、収納スペースを確保しておきましょう。
洗濯がぐんとラクになるリフォームプランのコツや、収納の確保の仕方、悩みの種となりがちな洗濯機パン問題については下記でご紹介していますので、あわせてご覧ください。
ユーティリティ化で収納確保&家事ラク
〈ワンポイントアイデア〉
洗面所で快適に家事をするためには、ある程度の面積が必要になります。そこで最近人気がある間取りが、ユーティリティとして家事室を洗面所から独立させるプランです。ユーティリティには洗濯機を置き、そこで家事を集中して行います。ユーティリティを別に取るスペースが無い場合は、洗面所を少し広くとりユーティリティを兼ねるように計画します。広めの洗面所に大型の壁面収納やカウンターを設置すれば、洗濯用品がスッキリ片付き、洗濯物の仕分けや畳みがラクにできるようになります。
家事が格段にラクになる、洗面所のユーティリティ化リフォームについては、下記でご紹介しています。部屋干しやアイロン掛けを楽にしたり、キッチンと繋いで炊事と洗濯の連携をよくしたりするアイデアです。
洗面所リフォームを成功させる3つのポイントは、
- パウダールーム
- 脱衣室
- 家事室
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