司法書士試験/司法書士試験・勉強法・対策

司法書士試験、独学と予備校―結局どっち?

前回に引き続き、司法書士試験合格を目指すにあたって、「独学」と「予備校」のどちらがよいのか検証していきます。

松本 雅典

執筆者:松本 雅典

司法書士試験ガイド

前回の司法書士試験、独学?予備校?―メリットとデメリットの記事の続きになりますので、まだお読みでない方は前回の記事をお先にお読みいただければ幸いです。


「独学」「予備校」、結局どちらがよいのか

独学と予備校、結局どちらがよいのかということですが、これは人によります。合格者の多くは予備校を利用していますので、予備校を利用したほうが合格へ近道である方のほうが多いのですが、前回の記事でご説明しましたメリットを最大限に活用して、独学で一発合格を果たす方もいます(後記の「独学の超短期合格者」の項目で実例をご紹介します)。

どちらを選択するかは、みなさんがご自身でお決めになることですが、次のことは念頭に決めてください。

「お金と時間のリスク」

予備校を使えば、20万~50万円の受講料がかかりますので、同じ受験回数であれば、独学で合格したほうが当然得です。仮に、「独学」「予備校」どちらであっても1回で合格できるのであれば、はるかに独学のほうが得ですので、予備校を選ぶ方はほとんどいないでしょう。

しかし、「予備校を使っていれば一発合格できたのに、独学にしたため3年かかった」ということであれば、2年が無駄になります。そうすると、その間の2年間の遺失利益(司法書士として働いていれば得られたであろう報酬や司法書士としての経験値)が生じ、「予備校を使っていたほうが得だった」ということになります。ただし、予備校を使っても「3年かかった」ということもあります。

司法書士試験は独学?予備校?

司法書士試験は独学?予備校?

「結局どっちなんだ?」と思われるかもしれませんが、「独学にするとしたら使用するであろう教材」と「予備校を利用するとしたら受講するであろう講座のガイダンスや教材」を見比べるなどして、リスクをご自身で考えてください。

試験ですので100%ということはありませんが、「どの選択をし、どこにお金をかければ、数年後に振り返った時にプラスになっているか」ということは、常に考えて選択をする必要があります。

その選択をするご参考として、次に、独学で超短期合格をした方をご紹介します。


独学の超短期合格者

「独学にしたため3年かかったということもある」と申し上げましたが、独学で超短期合格(試験勉強開始後、7か月以内で合格)をした方もいます。

例えば、私の同期(同年度に合格した方のことを「同期」といいます)の中に、私の知る限りで超短期合格者は私を含めて3名います。2名が7か月合格、1名が5か月合格です。7か月合格の1名の方は予備校に通っていましたが、あとの2名は予備校に通っていませんでした(模試は除きます)。

つまり、予備校に通わなくても、一発合格どころか7か月以内で合格という超短期合格をすることもできるのです。私に関して言えば、5~6万円程度の出費(教材と模試の費用のみ)で合格することができました。しかし、それは結果が出たからいえることでもあります。私の場合、あと3.5点失点していれば不合格でしたので(司法書士試験は280点満点です)、そうなっていれば、判断を誤っていたということになります。また、予備校に通わず、不合格になった方は何倍もいると思われます。

よって、やはりリスクをご自身で考えて、「独学」か「予備校」かの選択をしてください。

前回の記事と今回の記事は、あくまでみなさんが「独学」か「予備校」かを選択する材料にすぎません。最終判断はみなさん自身がされることになります。正解がわからない時点での判断となり不安だと思いますが、慎重に考えたうえで、現時点で最良だと思われる選択をしてください。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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