自分だけがわかるイメージ変換を実践
無限に広がる空間を活用して記憶しましょう!
では、イメージと空間を使ってどのように記憶すればいいのか、具体的に解説しましょう。
民法テキストの編タイトル・章タイトル・節タイトルとレベルが違うものが並んでいますが、気にせずにそのまま順番にイメージ変換して場所に置いて覚えていきます。
たとえば次のようにイメージ変換します(なお、イメージ変換は個々人のイメージ次第なので、とにかく自分がわかれば構いません)。
私の場合は語呂合わせが多くなっていますが、初めに浮かんだイメージを使うのがコツです。
そして、項目全体の意味や音をカバーしようとすると進まないので、ほんの一部でも覚えられたらいいと割り切るのもポイントです。
- 民法総則 → 自分のひいおじいちゃん(総則と曽祖父のゴロ合わせ)
- 民法序論 → あまちゃん(序と「じぇ」のゴロ合わせ)
- 人 → 福澤諭吉(天は「人」の上に「人」を作らず)
- 権利能力 → 赤胴鈴之助(権利と剣士のゴロ合わせ)
- 意思能力・行為能力 → 大きな石(意思と石のゴロ合わせ)
- 住所 → 住民票
- 不在者 → 宅配便の不在者通知票
- 失踪宣告 → ハリソン・フォード(映画「逃走者」から)
- 同時死亡の推定 → 馬(同時=競馬での同着のイメージから)
- 物 → アインシュタイン(「物」理学者)
読んで、意味のわからないイメージ変換も多いと思いますが、「こんなイメージでいいんだ」とわかってもらうための例なので、そこは気にしないでください。
とにかく覚えたい項目に少しでも引っかけられればOKです。
そして、こうやって変換したイメージを自宅から駅の道のりの場所・目印に置いていくのです。
もう頭の中に詰め込む必要はない
「そんな面倒なことするより、普通に覚えたほうが……」と思う人がいるかもしれません。しかし、実際に覚えようとしてみるとわかりますが、抽象的な言葉で、しかもまだ意味がわかっていないものをそのまま覚えるのは簡単ではありません。
イメージで少しでも手がかりがあれば、一気に覚えるのが楽になります。そして、空間を利用することで順番が明確になり、順番を覚えることにはまったく苦労しなくなります。また、覚えよう、思い出そうとするときの頭の感覚自体が、これまでの覚えるときに比べて楽なことにも気づくでしょう。
これまでであれば、覚えようとする言葉や情報を頭の中に入れようとしていたと思います。つまり、記憶は頭の中に入れるものだったわけです。この場合、覚える情報が多くなってくると、頭がいっぱいになってくる、パンパンになってくる感覚になっていたのではないでしょうか?
これに対して、空間を利用した覚え方では、覚えたい情報を頭の外にある空間に置いていくことになり、思い出すときも空間を歩きながら探り出す感覚になってきます。このため、覚える情報が多くなっても、頭が一杯になっていくように感じることはなくなり、楽に覚えることができるのです。
このように、記憶術ではほとんどの人が普段は使っていない空間を活用することで、大量の情報を順序立てて覚えることができるのです。