便器の値段は10万円~40万円ほど、メーカーごとの特徴も確認
〈トイレリフォーム、プランの注意点-1〉
トイレリフォーム、プランの注意点の1つめは便器選びです。どれを選ぶかで、総リフォーム費用が大きく変わります。と言うのも、トイレは床面積が小さい割に便器が高価なので、見積もりの中で機器が占める割合がとても大きいからです。便器は大きく分けて、タンク付きと無しに分けられ、値段は10万円~40万円ほど。タンク付きが安く、無しの一体型便器のほうが値段が高くなります。一体型は、デザインがすっきりしているので掃除がしやすく、サイズが小さいので、狭いトイレでも余裕のあるプランにすることができます。
タンク無しの一体型便器は、デザインがスッキリしていて、サイズが小さいので狭いトイレでも余裕のあるプランにできる(TOTO)
最新の便器で特に注目したいのが、掃除のしやすさです。汚れがたまらないフチ無しはもちろんのこと、自動的に除菌水の散布をしたり、便座が自動でリフトアップしたり、便器内を自動洗浄をしてくれる機能がついているタイプもあります。高性能になるにしたがって値段が高くなりますので、必要な機能を見極めることが肝心です。
国産の便器の代表的なメーカーはTOTO、LIXIL、パナソニックです。それぞれに特徴があり、競い合っていますので、リフォームプランを立てる際は、しっかり比較して、自分に合ったものを選びましょう。
床は耐アンモニア、壁は湿気対策ができるものを選ぶ
〈トイレリフォーム、プランの注意点-2〉
トイレリフォーム、プランの注意点の2つめは床材選びです。トイレは他の部屋とは異なり、過酷な環境にあります。耐水性であることはもちろん、アンモニアにも強い床材であることを、しっかり確認して選ぶことが肝心です。最近はトイレに使えるフローリング材もあります。アンモニアにも強いトイレに使える床材。便器はパナソニックのタンクが無い一体型便器。陶器ではなくガラス系の樹脂(パナソニック)
臭い対策にも気を配りましょう。トイレ内は湿度が上がりやすく、臭いがより強く感じられる場所です。壁に珪藻土やエコカラットなど、消臭や調湿機能を持った壁材を選ぶと、さわやかで気持ちのいい空間になります。
換気扇の取り付けも忘れずにしておきましょう。スイッチは照明と連動式にしておけば、付け忘れ、消し忘れが無くなります。床壁選びの工夫で、いつも清潔で気持ちのいいトイレプランを目指しましょう。
お客様に見られることを意識して、手洗いは独立がおすすめ
〈トイレリフォーム、プランの注意点-3〉
トイレリフォーム、プランの注意点の3つめは、お客様をお迎えするしつらえをしておくことです。トイレは住んでいる人のセンスや価値観が表れやすく、家の素顔が見える場所です。どんなにステキなリビングでも、トイレが残念だと家全体が残念なイメージに。お客様に使って頂く機会も多いトイレは、意外と見られています。リフォームの際には、家族だけでなく、お客様へのおもてなしの心を感じるプランを考えてみましょう。
大規模な工事無しでパッと手洗いを分けられるリフォーム専用トイレセット(LIXIL)
最近ではタンクから手洗いを独立させ、壁に取り付けるプランが人気です。簡単な工事で手洗いを分けることができる、リフォーム用便器セットもあります。手洗いを独立させたら、その上に鏡や棚、照明を取り付ければ、小さな化粧スペースになるので、お客様がちょっと手を洗いたい時など、洗面所に案内しなくても便利に使ってもらえます。
派手すぎるくらいのインテリアで、ちょうどよく仕上がる
〈トイレリフォーム、プランの注意点-4〉
トイレリフォーム、プランの注意点の4つめは、インテリア選びです。トイレは、リビングなどの居住空間と違って、思い切ったインテリアが楽しめる場所です。壁の一面だけカラフルにしたり、アクセサリーに凝ってみたり。ちょっと派手過ぎると感じるくらいでちょうどいい!遊び心のある楽しいリフォームプランでお客様をお迎えしましょう。現在の水まわりの人気色はクリアな白色。ショウルームでも展示のほとんどが、白色の陶器(圧倒的に白色が人気 イマドキの水まわりリフォームより)
以前の便器の人気色と言えばアイボリーでしたが、現在の人気色はクリアな白色です。清潔感が映え、どんなインテリアにもマッチします。便器の白が映えるよう、壁に少し色を使うのが、センスよく決めるコツです。水まわりの人気色や色選びについては、下記でご紹介していますので、ご覧になってみて下さい。
便座に座るまでの安全性を確認、ドアの見直しも忘れずに
〈トイレリフォーム、プランの注意点-5〉
トイレリフォーム、プランの注意点の5つめは、安全性の確認です。トイレは家族全員が、毎日何回も入る場所です。年を重ねれば使用回数が増え、夜中に行くこともあります。トイレリフォームというと、内部のプランばかりに気を取られがちですが、ぜひチェックしておきたいのが便座に座るまでの道のりです。夜の暗い時、寝起きで寝ぼけている時、あわてて駆け込む時、どんな時でも、安全にスムーズにトイレにたどり着いて、便座に座ることができるプランを考えてみましょう。
幅広の上吊り引戸。3枚連動なので開口部が広い。床にレールが無いのも嬉しい(パナソニック)
ポイントは寝室とトイレの位置関係にあります。2点間の距離をできるだけ短くしておくのが、安全なトイレにするコツです。特に高齢者がいる場合は、寝室からトイレまでの間に、階段や段差が無いよう計画しましょう。
リフォームの際には、ドアの見直しも忘れずにしておきましょう。既製品のトイレ用の開き扉は、狭い廊下からの出入りを考えて幅が狭く作られていることもあり、年を取った時に出入りがしにくくなる恐れがあります。
ドア幅は広めに取り、引き戸にしておくと、年を取っても出入りがしやすくなります。もちろん敷居など床の段差は必ず無くしておきましょう。
紙巻き器のグラグラに注意、トイレには手すりの取り付けを
〈ワンポイント・アドバイス〉
ふつうのペーパーホルダーでは、体重は支えられない。外れれば全体重を掛けて転倒するので命の危険も。
以前ガイドYuuは、トイレの紙巻き器のビスが緩んでグラグラになっている家に出あったことがあります。よく話を聞いてみると、同居のおばあさんが立ち上がる時に、手を掛けていることがわかりました。これは大変危険な状態です。しかし家族の誰もが、単なるビスの劣化だと思っていて、その危険に気付いていませんでした。
高齢者と同居している家では、手すりの取り付けを忘れないようにしましょう。紙巻き器と一体になったひじ掛けタイプもあります。
また便器内の自動洗浄機能は、家庭ではオーバースペックのようにも思えますが、年を取ると身体を後ろ向きにひねって流すという動作が大変になります。自動洗浄やリモコンで、手元で洗浄できるようにしておくと、高齢者に優しいトイレになります。
下記にはトイレリフォームの際の床材の選び方をご紹介しています。クッションフロア、耐アンモニア性能を持つフローリング、トイレ床専用の大型タイルなどの使い方について解説していますので、あわせてご覧下さい。
下記では床選びで、実際に起きた失敗事例をご紹介しています。 【関連記事】
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