住宅リフォーム/キッチンまわりのリフォーム

炊事ストレスを解消、キッチンの快適化リフォーム術

炊事ストレスたまっていませんか?夏に暑い、冬に寒いキッチンでは、それだけで家事が辛いものになってしまいます。そこで、長時間いても快適な居心地のいい空間にするリフォーム術をご紹介します。(2017年改訂版、初出:2006年6月)

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

炊事を面倒に感じることはありませんか?リフォームと言うと、設備選びや収納計画など機能面ばかりを注目しがちですが、1日の中でもキッチンにいる時間は長いもの。いくら便利な設備が付いていても、暑さ寒さなどの室内環境が悪いと、それだけでストレスがたまり、家事が辛いものになってしまいます。

炊事が面倒、そのストレスは環境が問題になっている可能性も

料理

キッチンの居心地の良し悪しが、やる気を左右し、メニューも変わる。

リビングや子ども部屋のプランを考える際は、夏涼しく、冬暖かく、風通しよく、明るい部屋にしたいと、環境面での計画をしっかりと立てているケースが多いものです。

しかしキッチンとなると、どうしても設備選びに気が取られるため、環境まで気がまわらないケースも少なくありません。

夏は暑くて揚げ物をしたくない、冬の朝のお弁当づくりが辛い、なんとなく暗くて気分が乗らない、風通しが悪くていつもムシムシしているといったような環境では、炊事そのものが辛くなり、毎日ストレスがたまってしまいます。

キッチンは家族の健康の源、食を生み出す大切な場所です。快適な環境ならやる気が出て、料理だって後片付けだってスイスイ進みます。気持ちよく料理ができれば、もうひと手間掛けることでもっと美味しくなったり、献立が1品増えたり。居心地の良し悪しが、家族全員の食生活も変えてしまうのです。

では、炊事ストレスを解消する、キッチンの快適化リフォーム、まずは夏の暑さと冬の寒さ対策からご紹介します。

 

夏涼しく冬暖かく、ストレスフリーで炊事のやる気も変わる
〈キッチン快適化リフォーム-1〉

いつでも気持ちよく炊事ができるよう、夏涼しく冬暖かく、1年を通じて快適に過ごせるキッチンにリフォームしましょう。冬の寒さ対策は床暖房がお勧めです。床暖房はリフォームでも人気のアイテムで、床の張替え時にリビングやダイニングまでは設置するケースが増えているのですが、そこからあと少しキッチンまで敷いておくと、冬の居心地が格段にアップします。

特に差がつくのが冬の朝です。タイマーでスイッチが入るようにしておくと、寒い早朝でも足元はほかほか、気持ちよく炊事ができます。最近の床暖房は工事がとても簡単で、電気式はもちろん、温水循環式の床暖房も、今ある床材の上から重ね張りができます。

床暖房の仕組み

フローリング内部にヒーターが埋め込まれた仕上げ材一体型の床暖房システムもある。リフォームはとても簡単(床暖房の後付けリフォームで本当に暖かくなる?より)


夏は、エアコンの取り付け位置がポイントです。火を使うキッチンこそ夏に涼しい環境を整えておくことが大切です。エアコンの冷気が届くよう、取り付け位置を見直し、また全体の風通しの工夫もしておきましょう。冬の寒い朝や真夏の夕方でも快適に居ることができれば、炊事ストレスも解消!お料理の出来栄えや、後片付けのやる気も大きく変わってくるはずです。

シャープなキッチン

オープンスタイルの風通しのいいキッチンなら、空調もよくきくようになる(壁付けオープンキッチンがもっと素敵になるリフォームより)


長時間を過ごしても疲れなければ、手間が掛かる料理も頑張れる
〈キッチン快適化リフォーム-2〉

座る女

キッチンで足が疲れてしまうことも。小さなハイスツールや足にやさしい床材選びで快適度アップ。

キッチンでは立ったままで作業する時間が長いので、長時間になると足が疲れてしまいます。リフォームプランを考える際には足が疲れない工夫をして、炊事ストレスがたまらない工夫をしておきましょう。

例えば、時間の掛かる下ごしらえの時のために、軽く腰掛ける椅子があると楽に炊事がこなせるようになります。

その際には、椅子の置き場所を忘れずに確保しておくことがポイントです。いちいちダイニングから椅子を運んでくるのは大変で、結局やらなくなります。小さな折り畳み椅子や、使う時だけ開いて座れる壁面埋め込みの椅子セットなどを上手に活用しましょう。

足に優しい床材選びをしておくことも忘れずに。タイルや石張りの床は掃除がしやすいのですが、固いので足が疲れやすくなります。コルクや柔らかい木のフローリング材など、踏み心地が柔らかい床材を選んでおくと、足にやさしいキッチンになります。

 

孤独で炊事ストレスを感じることも、家族と楽しく過ごす工夫
〈キッチン快適化リフォーム-3〉

使いやすいキッチンのレイアウトは、生活スタイルだけでなく、性格によっても違います。例えば1人で作業に没頭したい職人気質型の人は独立スタイルが向いていますし、家族や友人と顔を合わせて楽しく炊事をしたい人はオープンスタイルが向いています。

築年数が古い家の場合、キッチンが北側に独立している間取りが多く、炊事中に孤独を感じ、それがストレスに繋がっている人も少なくありません。そこで、家族と触れ合いながら、楽しくにぎやかに炊事ができる環境にリフォームしましょう。

だんらん

対面キッチンなら家族の顔を見ながら楽しく炊事ができる。


例えば対面スタイルにリフォームすれば、家族とコミュニケーションがとりやすく、子どもの宿題を見たり、おしゃべりを楽しんだり、キッチンに居る時間を楽しく過ごせるようになります。ただし、対面スタイルへのリフォームならではの失敗もありますので、下記で事前にチェックしておいて頂ければと思います。

好きなものに囲まれて過ごせば、炊事の時間がもっと楽しくなる
〈キッチン快適化リフォーム-4〉

キッチンプランを考える時には、機能や効率だけでなく、自分が楽しく炊事ができるよう考えることも大切です。自分の部屋を好きな壁紙で飾るように、扉やデザインにこだわったり、お気に入りの雑貨や調理ツールを集めたり。キッチンで過ごす時間は長いからこそ、徹底的に自分の好みにこだわることで、ストレスも解消、炊事のやる気が上がります。

コンロ

バーベキューグリルがついたクッカー、キッチン壁は汚れの目立たないレンガ調タイルと、楽しさにこだわったキッチン(モデルハウスに学ぶ!便利さアップキッチンリフォームより)


特にこだわりたいのが、一番立つ時間が長い、シンク前の景色です。無機質な壁を見つめながら、長時間炊事をし続けていてはストレスの元。窓を付けて外を眺められるようにしたり、好みのタイルをアクセントにしたり、好きなデザインの調理ツールをレードルハンガーに吊るして並べるのもいいでしょう。シンクの前に立った時、見える風景が楽しければ、炊事の時間も楽しくなることうけあいです。

今回は、機能中心になりがちなキッチンの居心地についてご紹介しました。もちろん機能もとても大切な要素で、特にこだわりたいのが収納です。下記に見逃しがちな食品庫と吊り戸棚の上手な計画の立て方をご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
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