猫と暮らす家にするリフォームの鍵は、爪とぎ・臭い・運動
ガイドの家の猫も爪とぎが大好き。猫と暮らす家にするリフォームのポイントは爪とぎ・臭い・運動の3つ。
下の写真は、猫の爪とぎによって傷だらけになった籐のスクリーンと、壁紙、そして網戸の写真です。籐は爪とぎの大好物ですから、家具もあっという間にダメにされます。また本棚に並べられた本の背表紙で爪とぎをしてしまうこともあります。
猫の爪とぎで傷だらけの籐のスクリーンと壁紙。猫と快適に暮らすには、材料選びとプランにちょっとしたコツが必要
猫の爪で破けた網戸。爪を引っ掛けて網をどんどん登っていく猫もいる。
また猫を飼っている家にお邪魔した時に、気になるのがトイレの臭いです。猫は体臭よりトイレの臭いが強烈です。今までたくさんの家を訪問してきましたが、玄関先でもトイレの臭いで猫がいることがわかる家もたくさんありました。
このように、猫の習性を踏まえていくと、猫と快適に暮らす家にするリフォームの際に注意すべきポイントは、爪とぎ・臭い・運動の3つであることがわかります。
猫の爪とぎは、リフォームの素材選びや収納プランの工夫で対策できる
障子は樹脂製の障子紙を使えば、猫の爪に強くなる。厚みで強度が異なる。
障子は樹脂製の障子紙を使いましょう。薄いプラスチック板のような障子紙ですので、とても丈夫で、今ある障子の枠に紙のように張ることができます。また豊富な色柄が揃っていますので、インテリアとしても楽しめます。
網戸はステンレス網に交換すれば破けなくなります。ガイドYuuの家の網戸もステンレス網を使用していましたが、破られることなく10年ほどもちました。カーテンを上る元気な猫がいる家は、上下に開閉する、表面がつるっとしたロールスクリーンを選ぶと上りにくくなります。
扉を付けた壁面収納なら猫がいたずらすることもなく安心。左側の引き戸の格子は猫の頭が通れない大きさで作ってある(一級建築士事務所 OfficeYuu)
猫だけが通れる、猫だけが通れないなど場面に合わせて扉の工夫を
よくある猫だけが通れる扉ではなく、光と風は通しても猫は通れないドア。
格子の大きさはちょうど猫の頭が通らない大きさ。よくある猫だけが通れる扉ではなく、逆に猫は通れない扉です。
ドアの一部がポリカーボネートで開閉する室内ドア。ドアを閉めたまま猫だけが通れる(フルハイトドアCaro/神谷コーポレーション)
臭い対策は、消臭効果がある壁材と換気扇の取り付けリフォームを
猫は体臭よりトイレの臭いが気になるものです。猫のトイレの近くの壁面に換気扇を取り付ける、トイレ周辺の壁材に消臭効果がある壁材を使う、壁紙の下地に炭塗料を塗るなどによって、臭いの軽減ができます。今ある壁紙の上から張ることができるタイル状建材エコカラット。壁の下半分だけ張ることもできて爪とぎ対策にも(LIXIL)
消臭機能を持つ壁材は、このようなタイル状建材の他にも、珪藻土や漆喰のような塗り壁、壁紙もあります。玄関ホールと廊下の壁面をこのような消臭機能を持つ壁材にリフォームしたら、猫を飼っていることが気付かれないようになったという方もいます。家の臭いを消すリフォームの詳細は、下記で詳しくご紹介していますのであわせてご覧下さい。
運動対策はキャットウォークで、ただしプランには要注意
パイン材のキャットウォーク。段々に上っていけるように、壁面に棚板を階段のように取り付けている( 猫と暮らす家-リフォーム実例より )
そこでリフォームの際には、壁面にキャットウォークと呼ばれる猫の通り道を作ってあげましょう。棚を階段状に壁に取り付けるだけで、猫が楽しいキャットウォークができます。
ただし取り付ける際にはいくつかの注意が必要です。
以前、猫の多頭飼いをしている家で起きた事件です。吹き抜け天井の上にある梁を利用してキャットウォークを作った家がありました。しかしそこで猫に吐かれてしまい、頭上から降ってきた上に、梁の上を掃除しようにも脚立では届かず、長いハシゴを掛ける必要がありました。
猫はグルーミングと呼ばれる身体を舐める行為で、飲み込んだ毛を後から吐き出す習性があります。キャットウォークを作る際には、滑りにくい材料で作るなど基本的な注意点の他に、脚立やイスなどで届く範囲までの高さに作ること、そして汚れても清潔に保てるよう掃除をしやすい材料や形状で作ることが大切です。
また動物は概して人より繊細です。リフォーム工事中は大きな音や臭いがしますので、猫たちが体調を崩してしまうことも。リフォーム現場で実際に起きたペットのトラブル事例と、その対策は下記でご紹介しています。
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