床材・フローリング/床・フローリングのリフォーム

犬と暮らす家にリフォーム、ペット用床材の選び方

犬と快適に暮らす家にするリフォームのコツは、床材選びにあります。人が掃除をしやすく、愛犬たちが健康でいられるようシッカリ選びましょう。ペット用フローリングは本当にすべらないのか?実験結果もご紹介します。(2017年改訂版、初出:2003年3月)

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

犬と共に快適に暮らす家にするには、工夫が必要です。特に注意したいのが床選びです。ペット用フローリングは本当にすべらないのか実験!建材が原因で増えている犬の病気に要注意など、動物と暮らすリフォームのコツをご紹介します。

床を掘る、剥がす!フローリングの強敵アンモニアにも要注意
〈犬と暮らすリフォーム〉

犬は床を掘るのが大好きです。畳はもとよりフローリング材も表面をぼろぼろにされてしまうことがあります。下の写真は、犬が床を掘って表面をはがしたフローリングと、畳表をむしった様子です。こうなるともう補修では追いつきません。

犬が壊した床

表面をはがしたフローリングや、畳をむしった様子。犬は床を掘るのが大好き。


水に強いとされているフローリングでも、アンモニアには弱いことが多く、キレイにふき取ったつもりでも残ればだんだん黒ずんでしまいます。犬と快適に暮らす家にリフォームするためには、これらの過酷な状態でも耐えられる床材を選ぶ必要があります。

また犬には1年に2回程度、換毛期と呼ばれる毛が大量に抜ける時期があります。そうなるとそこら中にふわふわと毛が舞い散りますので、さっと掃除できるような床材を選んでおくことも大切です。

ペット用床材

傷や汚れに強く、耐アンモニア性にも優れたペット用フローリング、パートナーワン(永大産業


リフォームでペット用に使いやすい床材の特徴まとめ
〈犬と暮らすリフォーム〉

下記に、リフォームでペット用に使いやすい床材の特徴をまとめました。それぞれに長所と短所がありますので、参考にしてみて下さい。

■フローリング材
表面強度を上げて、傷やアンモニアにも強く、掃除がしやすいペット用フローリング材が増えている。選ぶ際は滑りにくさをよくチェックして。

■クッションフロアシート
クッションフロアは塩ビでできたシート素材で、アンモニアにも強く掃除も簡単。リフォーム費用は圧倒的に安いが、見た目が安っぽくなりがちで、夏はペタペタした感触がする。

■タイル
タイルは耐久性が高く、強度があるので汚れたらすぐ水拭きをして、いつまでも美しく保つことができる。床暖房と組み合わせれば、夏は冷たく冬は暖かい環境になる。リフォーム費用は高めで、表面が固いのでカップなどを落とすと割れることも。

■タイルカーペット
30cm角程度の四角いタイル状になったカーペットで、組み合わせて床に敷き詰めるもの。汚れたら1枚だけの交換も可能で、ホームセンターなどでも買うことができるが見た目が少々安っぽい。いたずらが多い子犬の時だけ使う手も。

子犬と猫

ガイドYuuの家では子犬時代はタイルカーペットを敷いていた。今あるフローリングの上に、犬がよくいる場所だけ部分敷きができる。


フローリングによる股関節の病気が急増中
〈犬と暮らすリフォーム〉

肉球

フローリングのすべりやすさで、室内犬の関節の病気が増えている。

室内犬で増えているのが、股関節の病気や脱臼です。原因はフローリングのすべりやすさにあります。すべる床の上で犬が身体を支えるためには、股関節や後肢に大きな負担が掛かります。

犬の育成のプロは、後肢を触り、その広がり具合を見ただけで、フローリングの上で暮らしていることがすぐわかるそうです。

すべりにくい床にしておくことは、犬の健康のためだけでなく、子どもやお年寄りにとっても安全な床になります。リフォームの際は、すべり具合をよくチェックしましょう。

 

ペット用フローリングは本当にすべらないのか実験!
〈犬と暮らすリフォーム〉

各メーカーからペット対応製品として、犬と暮らすための床材がいろいろと発売されています。表面強度はコーティングによって上げていくことができますが、問題は滑りにくさ。ひとことで滑りにくい床と言っても、実際どれくらいなのか?ガイドYuuが実験してきましたのでその様子をご紹介します。

滑らないフローリング

左のライト色がペット用フローリング材のパートナーワン、右のダーク色が通常のフローリング材(共に永大産業)


上の写真が実験の様子です。毛でおおわれたぬいぐるみを置き、フローリングを徐々に傾けてみました。通常のタイプは少し傾けるだけであっという間にすべり落ちていきましたが、すべり止め加工がされたペット用は、かなり傾けてもしっかり止まりました。

ペット用フローリングは、表面を手で触ってみると、てのひらがくっつくような感じがします。もちろん、足の裏の毛が伸びてくれば、どんな床でも滑りやすくなりますので、こまめに毛をカットしてお手入れしておくことも大切です。

また階段も犬にとっては危険な場所です。滑り止めのマットを敷いて、滑り落ちないよう対策しておきましょう。このようなリフォームは、高齢者や子どもの安全性を高めることにもつながります。犬に優しい家は自然と人にも優しい家になります。

臭い対策は壁で、機能性建材を上手に取り入れる

室内飼いの場合は家の中の臭いも気になります。そこで臭い対策でオススメなのが、壁に消臭機能がある材料を使ってリフォームすることです。例えば下の写真は、タイル状壁材のエコカラットという製品で、今ある壁紙の上から張ることができ、消臭機能があります。

エコカラッと

今ある壁紙の上から手軽に張れて、部屋の消臭対策にもなるタイル状壁材エコカラット(LIXIL


このような壁材は、犬がよくいる部屋に使うのはもちろん、玄関ホールの壁に張ることで、家の臭いが気にならなくなり、安心してお客様をお迎えすることができるようになりますので、上手に使いましょう。

フローリングリフォームの際、剥がすのと重ね張りではどちらがいい? 張る方向はどっち向き?など注意点は下記にまとめてありますので、あわせてご覧下さい。 またリフォーム工事中は大きな音や臭いがしますので、犬たちが体調を崩してしまうことも。リフォーム現場で実際に起きたペットトラブル事例と対策は下記でご紹介しています。
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