The Cars 「DRIVE」
米国マサチューセッツ州ボストン出身のロックバンド、The Carsが、84年にリリースしたアルバム「Heatbeat City」からシングルカットされヒット、彼らを代表する一曲です。タイトルもまさにピッタリ収まりそうなところからこれを選びました。曲調はゆったりとスローなテンポのシンセサイザーと、重いビートが淡々と流れていく感じです。その醸し出す雰囲気は、まるで流れる夏の時を演出するかのようで、大人の余裕なドライヴを連想させます。慌ただしい日常で傷ついた心の拠り所を求め、緩やかなワインディング・ロードを撫でるようにアクセルを踏んでいく、そして夏の休日が終焉する頃合いが、一番似合うんじゃないかと思います。
歌詞はドライヴそのものというよりも、去っていった彼女への強がりを漏らしているかのよう……「君は自分が間違ってるって、いつか気がつくよ!」「今夜は、誰が君を家まで送るんだい?」という下りが、男のわびしい気持ちに聞こえます。
ちなみにバンド名は「全員、車好きだから」という、それだけの理由から付けられたそうです。