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等価交換サギ事件 その2(4ページ目)

等価交換方式の仕組みが分かったところで、今回は、具体的なサギ事件の内容に入ります。景気が悪くなると、信じられないようなことが起こりがちです。本当に気を付けてくださいね。

執筆者:江蔵 龍

等価交換サギ事件

非常に“前フリ”が長くなってしまいましたが、ここからがサギ事件の話です。
今回の事件では、「等価交換方式」のうち、「全部譲渡方式」が採用され、わずかばかりの手付金により、マンションの建設前に土地の名義をディベロッパー(マンション業者)に移転してしまいました。

どのような言い回しで、ディベロッパーから「全部譲渡方式」が提案されたのか、詳細は分かりません。詐欺ですから、言葉巧みに、しかも、考えたり人に相談させるスキを与えなかったのでしょう。

ところが、その数日後に当のディベロッパーが倒産してしまったのです。
たぶん計画倒産だと思われます。

もちろん、等価交換事業の建物など建ちません。
既に、土地の所有権がディベロッパーへと移転してしまっています。所有権の移転と同日に、金融機関により抵当権がベタベタと手際よく設定されてしまっています。
裁判の行方次第ですが、詐欺による土地売買契約の取消しを主張し、土地の返還を求めることも考えられますが、抵当権者との関わりもあり、難しいと思えます。
地主さんの元に土地は戻ってこないのかもしれません...。

わずかばかりの手付金により、土地全体を売ってしまったようなものです。

担当弁護士さんのお話では、このディベロッパーは、同様の手口で数十件(十数件ではなく!)の等価交換事業の契約を結んでいたそうです。

前回Close Up!の冒頭でご紹介しましたが、「人を見たら泥棒だと思え!不動産の契約を交わす際には、最悪の事態を常に想定しましょう」が契約の基本だと思います。

「最悪の事態がどのような事態なのか」ご自身で思いつかない場合には、詳しいコンサルタントなどに相談し、必要ならば、契約内容等を弁護士さんに吟味してもらうような用心が必要だと思います。

景気が悪くなると、信じられないようなことが起こりがちです。本当に気を付けてくださいね。

[関連CloseUp!]
等価交換サギ事件(その1)
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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