過保護や虐待、ネグレクト……ネガティブな子育て
ネガティブな子育てにも色々ある
では、「ネガティブな子育て」と聞いて、どんな育児をイメージしますか?
- 虐待
- ネグレクト
ネグレクトがネガティブな子育てというのは、当然なので、理解しやすいと思います。では「過保護」はどうでしょうか?ネグレクトと同類にされるほど、悪いイメージはないのではないでしょうか?
実は、この「虐待」「ネグレクト」「過保護」は、子どものいじめに大きく関係しています。
親の子育ての仕方が、子どものいじめと関わる⁉
イギリスの大学が、これまでに実施された70の研究をメタ分析したところ(これには2万人の子ども達のデータが含まれます)、親の子育ての仕方が、子どものいじめと関わっていることが分かってきました。■虐待やネグレクトについて
これらの厳しい環境に置かれた子どもは、いじめる側、いじめられる側の両方になるリスクが高いことが分かりました。つまり、元いじめられっ子がいじめっ子になる、またはその逆で、負のスパイラルに入ってしまっているケースと言えます。
■過保護について
過保護の一番の悪影響は、子どもが自分力を身につけるチャンスを奪ってしまうこと、と研究者達は指摘しています。親が支えていること、しっかりと見守っていることはいじめのリスクを減らす効果がある一方、守りすぎは、逆にリスクを高めてしまうのだそうです。
子ども達は、親のサポートを必要としていますが、守りすぎはNG。イヤな思いや苦い経験、全てから遠ざけてしまうのは、子どもの自分力を弱めてしまうことにつながってしまうからです。そうするとどうなるでしょうか?その子は、子ども同士の問題にどう対処したらいいかが学べていないので、クラスなどで何か問題が発生すると、そのターゲットになりやすくなってしまうのだそうです。
*出典:学術誌 Child Abuse & Neglect (2013) 「Parenting behavior and the risk of becoming a victim and a bully/victim: A meta-analysis study.」より
いじめをなくすポジティブペアレンティングとは?
愛情はたっぷりと、引き締めるところはしっかりと
- しっかりと支えること
- 温かく包むこと
- 明確なルールを作り、子どもにきちんと教えること
いじめには、必ず、いじめる側といじめられる側がいます。いじめっ子がいる限り、いじめはなくなりません。めざすは、いじめのない環境です。そして大切なのは、親一人ひとりの心がけです。
研究でも、「それぞれの親が、ポジティブペアレンティングのノウハウを、小学校入学前までの時期に取り入れることがのぞましい」としています。ポジティブペアレンティングは、いじめられない、いじめない、双方にプラスに働く子育て法。いじめをなくすために、基本に立ち返り、「温かく、しっかりと」をそれぞれの親が心がけていきたいものです。
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