顔以外のニキビ……特徴とは?

顔以外のニキビの特徴

顔以外のニキビの特徴

ニキビは顔だけにできるものではありません。毛穴があり、そこに皮脂分泌があれば、どこにでも生じる可能性のある皮膚病です。

具体的に、顔以外にできる主な部位は、背中、胸元(デコルテ)で、稀に頭皮にできることもあります。これらの部位は、いずれも「脂漏(しろう)部位」と呼ばれ、皮脂分泌の多いところです。

身体にもニキビができること、そして、身体ニキビは意外と治りにくく、痕にもなりやすいことを知っていただければと思います。
   

身体ニキビより、まず顔ニキビ

日常、診療をしていると、ニキビにおいては圧倒的に顔のご相談を多く受けます。もちろん、顔が最もできやすい部位と言えるのですが、顔ニキビのある方の中には、背中や胸元のニキビ(総称して身体ニキビ)も患っている方が結構多くいます。もちろん、顔にはなく身体だけの方もいます。

しかし、そこまで多くの身体ニキビのご相談をいただかないのが現状です。それはなぜなのでしょう。

その理由として考えられるのは、背中は人前に出さない部分であり、どちらにもニキビができている方にとっては「まず顔から先に治したい。」という心理があり、後回しになっているのではないでしょうか。それを証拠に、「顔のニキビが良くなってきたから、胸元や背中のニキビのことを相談しよう。」と、顔とは時期をずらしてご相談いただくことが良くあります。

しかし本来、身体のほとんどの部分は、顔に比べて皮膚の再生が遅く、傷痕も残りやすいという特徴があります。そのため、身体ニキビを放置せず、できるだけ早めに治療に取り掛かっていただきたいと思います。
 

背中ニキビの特徴

背中ニキビ

背中ニキビの出来やすい部分

背中ニキビは、肩から腰のあたりまで、背中全体にできる可能性があります。特にできやすいのは写真の様に上半分の中央部分、つまり左右の肩甲骨の間です。

多くの方は、肩甲骨のところは皮脂分泌が少なく乾燥しやすいので、ニキビはできにくいのですが、中央は皮脂分泌が多い部分なので、ニキビができやすいのです。

特に思春期から40代までの方においては、このように背中においても皮脂分泌に違いがあり、顔の様に「混合肌」タイプが多いと言えます。

さて、背中は他のニキビ好発部位(よくできやすい部位)である顔や胸元とは異なる特徴があります。代表的な特徴をいくつか挙げご説明していきます。

■背中は「自然に治り難い」部分

背中は他のニキビ好発部位の中でも最も治り難いといえます。もちろん、前回ご紹介した顔ニキビの中にも治りにくいタイプはありますが、背中ニキビに関しては、一見すぐ治りそう、と思える様なニキビでも意外と治るのに時間がかかり、また、様子を見ている間に数が増えていく、というケースも多いのです。

では、治療を始めたらどうなのでしょうか。

■背中は「治療しても治り難い」部分

せっかくの治療意欲を妨げるような一言ですが、実際に治療に携わる者として実感していることなのであえて書かせていただきます。もちろん、きれいに治っていく方もいらっしゃいますが、顔に比べるとその速度はゆっくりです。

その理由として、
1.汗をかきやすく、蒸れやすい。なおかつ、こまめに拭き難い部分である
2.ニキビ好発部位の中で一番、肌のターンオーバーが遅い
3.塗り薬が衣服に付きやすく、患部に留まり難いため、効果を得難い
4.自分で薬を塗り難い

などが挙げられると思います。

そしてもうひとつ大きな理由として、
5.うぶ毛が濃い

ということも挙げられます。背中は腕や脚ほどうぶ毛が太くは無いかも知れませんが、目立って生えていることが多く、それもニキビをできやすくさせている原因のひとつの様です。実際、ガイドもレーザー脱毛でそのうぶ毛を除去すると、ニキビができにくくなった。というケースをたくさん見てきています。

■背中は「色素沈着になりやすい」部分

これは治った後の話しになりますが、背中は他の好発部位と比べて、茶色いシミの様に見える色素沈着が残りやすい部分です。色素沈着は、炎症が起こった後には、どこにでも生じる可能性がありますが、特に背中にはそれが残る傾向があります。いずれは改善していきますが、顔などと比べて背中は日にちがかかるのも特徴のひとつです。
 

胸元ニキビの特徴

胸元ニキビ

胸元ニキビの出来やすい部位

胸元(デコルテ)ニキビは、鎖骨から下、胸の膨らみを避けた、中央の部分にできやすいことが特徴です。分かりやすく言うと、写真の様に逆三角形のエリアと言えます。この部分は、胸元の皮脂分泌の多いところと一致します。

特に女性においては、胸と胸の間は、汗の溜まりやすいところなので、炎症したニキビができやすいという特徴もあります。

その他、特記すべき特徴を挙げてご説明いたします。

■胸元は「薬が塗りやすく」「薬の吸収が良い」部分

治療に際して、顔と共通した利点です。これらは、治癒の際、優位に働くことは言うまでもありません。

■胸元は「ケロイドになりやすい」部分

一方、胸元ニキビにおいて最も注意すべきは、「ケロイドになりやすい」という点です。
 
ケロイド

ニキビの後に生じたケロイド

ケロイドは、強い炎症や深い傷などによる影響と、ケロイド体質という素質により生じます。写真のように、ニキビが出来たところだけでなく、その周囲にも拡がって、硬いしこりができます。また、ケロイド体質ではない方も、ケロイドほどではなくても、傷痕として残ることがある部位です。

そのような理由から、治り難さは背中ほどではないにしても、積極的な治療をおすすめしています。特に、前述の通り、ケロイド体質の方は早急に治療を開始することをおすすめします。今までケロイド体質という自覚がない方が、「胸元にニキビができ、その後でケロイドが残り、初めて自分の体質に気付く」というケースもありますので注意が必要です。

特に、写真の様に胸元の中央(胸骨の上)は、ケロイドが好発する代表的な部位です。また、肩関節の周辺も同様にケロイド好発部位なので、背中ニキビが肩までできている方もその後の経過に要注意です。

「身体のニキビは人前に出さないから」と治療を怠っていると、後悔することもありますので、治療に取りかかるタイミングを早めに決断していただきたいと思います。自然治癒どころか悪化する一方ということや、いざ治したとしても痕が残ってしまったりしては、後々困ったことになりかねません。

慌てるより、事前に自覚をもって対処していただけたらと思います。

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※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して肌荒れや不調を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。