年金

女性の就労と年金~第3号被保険者って有利?(3ページ目)

女性の社会進出が進み、働く女性が増えています。女性は自分のキャリアプランを考える上で、結婚や出産というライフイベントが男性より大きく影響し、その後の働き方を考え直す人も多く見られます。働き方が変わると公的年金への加入パターンも変わり、老齢年金の受給にも影響があります。どのような違いがみられるか、事例を使って比較していきます。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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第3号被保険者、やはり有利?

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結婚後の女性に求められる働き方にも変化が見られます

同年齢の女性3人の公的年金の加入歴と将来の老齢年金の事例を比較しましたが、事例2のB子さんと事例3のC子さんは公的年金の加入歴は違っても、会社員として働いた期間の給与がほぼ同じであれば、受給する老齢年金はほぼ同じパターンになります。自営業のB子さんと専業主婦となったC子さんは、受給する年金はほぼ同じになりますが、国民年金に加入中、保険料の負担が必要なのは第1号被保険者のB子さんのみで、第3号被保険者のC子さんは保険料の負担がありません。

老齢年金だけを比較すると、「負担なしで同じ年金が受給できるなら、やっぱり第3号被保険者は有利」かもしれません。一方、厚生年金の加入歴が長いA子さんは老齢厚生年金の受給額が高くなると思われますし、勤務先に企業年金制度があれば老後の収入はさらに安定したものになります。

また、国民年金の期間が長くなるB子さんとC子さんは、A子さんに比べると老齢年金の受給額が少額になります。自分で上乗せとなる年金を準備する場合、第1号被保険者のB子さんは公的年金制度に近い国民年金基金や個人型の確定拠出年金を利用することができます。特に、国民年金基金は加入時に年金額が確定している終身年金を基本に確定年金をプラスして、ライフプランに合わせた上乗せ年金を準備することができます。また、掛金は全額が社会保険料控除、老齢給付は公的年金等控除の対象となり、節税効果は公的年金と同様です。

第3号被保険者であるC子さんは、国民年金基金、個人型の確定拠出年金とも加入対象外なので、上乗せ年金を準備する場合は民間の個人年金などを利用することになるでしょう。

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最近は、結婚後も妻に仕事をしてほしいという男性が増え、男性の共働き志向が高まっているようです。女性が結婚・出産後も仕事を続けるにはパートナーの協力や勤務先の支援体制も欠かせないものです。急速な少子高齢化社会が進行する中で、女性が持続的に働くことのできる職場環境の構築は、企業のみならず社会全体の活力につながるといえます。社会の変化とともに女性の働き方が多様化し、また今後は厚生年金の加入対象も拡大される予定です。損得論ではなく、自分自身のキャリアプランやライフプランをよく考え、岐路に立った時に長いビジョンを見据えながら、その時々の選択をしていくことが必要となるでしょう。

※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。

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