ステアリングを握る度にワクワクできる
まず2007年10月にセダンが、2008年4月にステーションワゴンが登場します。いずれも6.3L(6208ccですがAMGは6.3Lと切り上げた表記を主張)のV8を搭載。AMG専用デザインの本革巻きステアリングやメーターパネルが備わる運転席。パドルシフトはアルミニウム製、アクセル&ブレーキペダルはステンレス製となります
最高出力336kW(457PS)/最大トルク600N・m(61.2kg-m)を発揮。レースで培われた技術によるシャープなレスポンスと、大排気量ゆえの強大なトルクが持ち味です。ちなみにAMG初のスーパーカーSLSは、このV8をさらに専用チューニングしたエンジンが搭載されています。
そのエンジンパワーを最大限に引き出すため、足回りにはAMGスポーツサスペンションが備わり、スタビライザーは大型化されています。もちろんブレーキも大幅に強化されました。
ミッションはブリッピング機能がついた7速ATのAMGスピードプラス。ステアリングの裏にはパドルシフトが備わります。
ナッパレザーで覆われた専用のセミバッケットシート。色はブラック、佐原ベージュ、アルパカグレーの3色が用意されました。もちろん安全装備や快適装備は充実しています
また横滑り防止装置であるESPは通常モードに加え、システムが極力介入しないESP SPORTモードと、オフにするESP OFモードが用意されました。
2010年8月には鍛造成型による軽量ピストンなど、+30PSのスペシャルパーツや軽量化などが図られたパッケージオプション「AMGパフォーマンスパッケージプラス」が用意されました。ちなみにこのキットでは最高速度を280km/hに設定できます。
2011年8月にはクーペボディが追加されるとともに、セダンとステーションワゴンも大幅改良が施され、トルクコンバーターの代わりに湿式多版クラッチが採用された(ようはダイレクトなアクセルレスポンスと素早いシフトチェンジを可能にした)7速ATミッション、AMGスピードシフトMCTが採用されました。
AMGパフォーマンスパッケージプラスやAMGスピードシフトMCT搭載車はまだまだ約800万円しますが、低年式のセダンやステーションワゴンなら400万円台前半から探すことができます。
サーキットでも走りたいというほど走りたいというのであれば、件のスペシャルパッケージものやMCT搭載車という選択はあるでしょうが、そもそもノーマルのC63ですら日本の公道でそのポテンシャルをすべて出し切ることは無理だと思われます。
高速道路で法定速度に達するまでのほんの一瞬の加速くらいしかC63のモンスターぶりを、まるで満月の下で一瞬だけ狼男のひげが見えた程度しか、感じられないかもしれません。そう考えるとやはり新車時の半額以下(400万円台)ではないでしょうか。
それでもその一瞬だけでも、ステアリングを握る度にワクワクさせてくれ、操る歓びを教えてくれる車です。見た目はセレブのお買い物車にぴったりですから、奥さまに内緒のまま、モンスターを飼うこともできそうです。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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