素材の旨味を引き立てる
セミナーでは、5種類のオリーブオイルをテイスティングしてみました。
一般的なものは、無味無臭に近いのですが、エキストラ・ヴァージンオリーブオイルは、それぞれにリンゴの香り、ナッツのようなコク、グリーンな香りなど個性的な風味があり、さらっと喉に通ります。
しかし、喉の奥でピリピリした刺激がありました。「その刺激が抗酸化物質であるポリフェノール成分によるものなのですが、厳密に言うとオレオカンタールと呼ばれるフィトケミカルです。一番絞りのオリーブオイルのみに含まれている成分で、多少高価でも上質なオリーブオイルを使うメリットは、こういうところにもあるのです」という小野塚さんの説明に、納得しました。
スペインの野菜たっぷりスープ、ガスパチョにもオリーブオイルは欠かせません。
画像提供/小野塚千穂
「オリーブオイルは、素材の持ち味を引き立ててくれるのです」という小野塚さんは、スペインの家庭料理の書籍を出版され、ブログ「Secret Spain」等でもオリーブオイルを活用したお料理の提案もされています。
パスタやスープなど、オイルを使う料理はもちろん、刺身や豆腐、納豆、素麺や蕎麦などのだしの効いた和食にも相性がよく、またヨーグルトやスムージー、アイスクリームなどにも、エキストラ・ヴァージンオリーブオイルをひと振りすると風味がアップするそうです。
エキストラ・ヴァージンオリーブオイルは、生で使うというイメージが固定していましたが、酸化しにくいオイルなので、フライに使ってもよいそうです。
「上質なエキストラ・ヴァージンオリーブオイルで揚げると、210℃まで高温でも煙が出ませんし、食材をコーティングする特徴があるので、外側がサクッと揚がり、内側はふんわりとでき上がります」と小野塚さん。
古代からの美容コスメ
オリーブオイルには植物性スクワランが含まれているので、スペインでは、古くからの美容法として、日焼け防止、化粧品やメイク落とし、ヘッドマッサージなどに、上質のエキストラ・ヴァージンオリーブオイルを使っていることなど、古から続くスペインの暮らしの知恵も紹介されました。*皮膚に塗る場合には、必ずパッチテストをしてからにしてください。
日本と同様スペインにも、長い歴史の中で育まれてきた様々な食の知恵や、素晴らしいモノ作りの技、誇りがあります。オリーブオイルが和食のおいしさを引き立てるように、お互いのよさを認め合い融合できると、日々の食卓の彩りも広がると思います。
小野塚さんは、定期的に日本でオリーブオイルの魅力や料理、スペインの食文化を伝えるセミナーなどをされています。今後の活動や予定、またオリーブオイルについては、パワジオ倶楽部へお問い合わせください。
取材協力/
小野塚 千穂(Secret Spain)
パワジオ倶楽部
みどりの雑貨屋
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