運動によってもコラーゲンは合成される
コラーゲンは運動でも合成される
サプリメントとしてもよく知られているコラーゲン。皮膚や靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質の一つで、細胞と細胞の間で組織を支持したり、力やその他の情報を伝達したりする結合組織を構成しています。コラーゲンが不足すると結合組織に影響を及ぼし、皮膚の弾力性が低下する、骨の強度が低下する、軟骨が痛むといったことが考えられますが、これを補うためには食事やサプリメントだけではなく、運動をすることでもコラーゲンの合成能力を高めることが知られています。運動によって多くの酸素を取り込んで血流が良くなるとコラーゲンを作っている線維芽細胞が活性化し、より多くのコラーゲンを生成するようになります。
普段の生活で取り入れたい運動
マイペースながらも続けることが大切
ジョギングやウォーキングなどに代表される有酸素運動は、ゆっくりとしたペースで酸素を取り込みながら行う運動です。酸素を取り込みながら身体を動かすため、血液中の酸素が細胞の活性化に繋がり、コラーゲンなどをつくり出す線維芽細胞の働きが活発になります。また常に重力に対する負荷がかかる抗重力筋(直接運動していなくても身体の姿勢を保つために働いている筋肉)は特にコラーゲン生成が盛んに行われるといった報告もあり、マイペースであっても続けて行うことによって、よりその恩恵に預かれるのではないかと考えられます。
一方、筋力トレーニングは運動の中でも高い負荷をかけることができるトレーニングです。身体を支えるための結合組織にストレスを与え、与えられたストレスに負けないように身体が組織を再合成するメカニズムを持っています。またトレーニングの後は筋肉疲労によってより多くの成長ホルモンが分泌されますが、この成長ホルモンもまたタンパク質合成や細胞の活性化を促す働きがあります。スポーツなどにおいても身体を動かした後、睡眠中などに成長ホルモンが分泌されますので、こうした運動によってもコラーゲン合成が活発になると考えられます。
運動する時間がなかなか取れないという方は、普段の生活から意識して身体を動かすようにしてみましょう。翌日に疲れを残さないためのストレッチであったり、テレビを見ながらの体操であったり。お買い物の行き帰りや、通勤からの帰り道を一駅分歩いてみるといったことでも効果が期待できます。血行を促進して新陳代謝を活発にする適度な運動は、コラーゲン合成に欠かせない大切な要素です。普段から身体を動かすことを意識して生活してみるといいでしょう。
運動とあわせて取るとより効率UP
食事からもコラーゲンをとろう
コラーゲン不足を補うためにサプリメントを補給したいと考える人も多いと思いますが、実はサプリメントだけではなく、バランスの良い食事が必要となってきます。特にタンパク質が不足するとアミノ酸合成に悪影響を及ぼしてしまうので注意が必要です。コラーゲンを多く含む食材としては肉類(特に皮、軟骨、骨、すじなど)、魚類(皮、うろこ、骨など)があげられますが、これらにはコラーゲンだけではなくタンパク質も含まれていることがポイントです。またコラーゲン合成のためにはビタミンCも一緒にとりましょう。ビタミンCは結合組織を安定させるのに役立つといわれており、こういったことからもバランスの良い食事が求められるのです。
口から体内に入ったコラーゲンは一度分解されて吸収されやすいペプチド状態になり、そこから血液の中に入って身体全体へと運ばれます。そこで各組織の細胞へとコラーゲンが行きわたり、皮膚や骨、軟骨などに作用します。こうした循環を良くするためにも運動をすることはよりよい影響を与えるといえるでしょう。
【コラーゲンをより多く含む食事の例】
- 牛すじ
- とんこつラーメン
- スペアリブ
- 鶏の唐揚げ(骨付き)、手羽先
- カレイの煮付け
- なまこの酢の物 等
年齢とともに減少するコラーゲンを補い、心身ともにみずみずしく過ごすためには、食事はもちろんのこと、適度な運動が必要です。皆さんの生活の中で、取り入れられそうなものから少しずつチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
参考書籍「究極のトレーニング」