子どもたちの真剣な顔が見られる(?)デコボコ絵本
ふわふわ絵本の次は、デコボコとした固い感触を味わえる絵本をご紹介しましょう。デコボコをさわって楽しむ絵本の多くは、固い感触を追いながら形を確認していくという趣向の作品が多いので、指先に神経を集中させることで、知らず知らずのうちに集中力が身に付くという人もいます。デコボコを追う子どもたちの真剣な表情をみると、その意見にも納得できますね。子どもたちに人気の高い作品の中から、大人も一緒にさわって遊べる2作品をご紹介します。■くもさん おへんじどうしたの
『はらぺこ あおむし』の絵本をかいたエリック・カールのくものお話です。お返事も忘れて黙々と巣を作るくもと、話しかける動物たち。エリック・カールの十八番ともいえる色鮮やかな登場人物たちがとても印象的です。ページをめくるたびに必ず登場する「くも・ハエ・くもの巣」の3つに、浮き出た加工が施してあるという演出が心憎いですね。
でも、その仕掛けに頼るだけでなく、絵本としても面白さや芸術性があって、年齢を問わず楽しめる作品だと思います。絵本だからといって、軽々しく自然の営みを無視しない作者の姿勢にも好感が持てます。最初はおはなしそっちのけでくものすを触って遊んでいるお子さんも、次第に物語の世界に引き込まれていくようです。
■りゅうはどこにいる?
りゅうを探す冒険の旅に出たぼくとおじいちゃん。なかなかりゅうと巡り合うことができません!? さて、読者の皆さんは、本に隠れているりゅうを見つけることができるのでしょうか?
りゅうを見つけては、「いたよいたよ!」と大喜びする子どもたち。それは、『ウォーリーをさがせ!』や『ミッケ!』のようなかくれんぼ絵本を見る時と一緒です。でも、この作品では、隠れている場所とストーリーに少しずつ関連性がある点が、他の作品とはちょっと違って面白いと思います。
〉〉 見える人も見えない人も一緒に楽しめる、点字付きさわる絵本