国内外から注目される京都丹後、移動は「あかまつ」「あおまつ」で
北京都・日本海側を代表する観光地、天橋立
京都の日本酒と言えば伏見を中心とした京都南部を思い浮かべるが、京都府北部にも20軒近い造り酒屋がある。丹後と呼ばれるこの地域は、重要伝統的建造物群保存地区選定地の伊根の舟屋、ノスタルジックな赤レンガ倉庫群(需要文化財)とともに「名探偵コナン」の舞台となり魅力が増す舞鶴、日本三景のひとつ「天橋立」を有する宮津と観光の目玉がずらり揃うし、若狭湾からの海の幸がグルメ心をくすぐる魅惑の観光地域である。
美しい色と気作りで温かみのあるデザインは水戸岡鋭治氏のデザイン
また、北近畿タンゴ鉄道(株)が今年4月に運航開始した「丹後あかまつ号」「丹後あおまつ号」は日本松を使用した観光列車。車内で地酒をひっかけながら景色を楽しみ旅ができるのがたまらない。電車なら沿線に点在する酒蔵で試飲もできるし、ね。
今回はこの列車で丹後半島を往復し丹後由良に降りた。この地で200年近く酒造りを行っているハクレイ酒造(株)を訪ねるためだ。五代目にあたる六右衞門が、田辺藩主牧野丹後守より酒造りの許可を得て丹後由良にて酒造業を始めたのが天保三年(西暦1832年)。現在の当主中西哲也氏は中西家11代目にあたる。
潮風を感じる丹後由良の海岸にほど近いお蔵。
白砂の由良海岸と由良川に隣接する落ち着いた町の一角に蔵がある。入口正面からは丹後富士の名を持つ「由良ヶ岳」が臨める。現在の社名でありブランド名ともなっている「ハクレイ」は漢字で書けば「白嶺」。九代目六右衛門が、冬の朝、嶺(いただき)に真っ白な雪が積もった様子から名付けたものだ。