人が生きるためには何が必要か?ディスカッションドラマの金字塔
1966年、フジテレビで放送され高く評価された同名テレビドラマの映画版。ブローサイド・フォーによる主題歌は今でも有名で、学校の合唱コンクールでもよく歌われています。早くに両親を亡くし弟妹たちの親代わりで、設計技師として働く長男・太郎を田中邦衛、トラック運転手の次男・次郎に橋本功、行動的なインテリの三男・三郎に山本圭、受験戦争に悩む四男・末吉を松山省二、母親代わりの長女・オリエを佐藤オリエが演じる佐藤5兄弟の物語。
ある日、家の雑用を任されていたオリエが家出してしまいます。そこから様々な問題が噴出。佐藤一家は大騒ぎとなります。しばらく友達の家に身を寄せたオリエは、原爆孤児の戸坂と知り合い惹かれていきます。
兄弟それぞれが自身の立場、苦悩、主張を本音でぶつけ合い、時に取っ組み合いの大げんかとなりますが、助け合いながら一生懸命ひたむきに生きる姿を描いています。
90分のストーリーにこれでもかと詰め込まれた問題提議。難しい映画と敬遠される方もおられるかもしれませんが、全く逆で非常にエネルギッシュな人間ドラマを堪能出来ます。配給会社が内容の過激さに尻込みしたため、自主上映の形を取らざるを得なかった本作が300万人を動員。その後、続編が2本作られたことでも証明されているように、多くの人たちに受け入れられる要素を多く持った青春映画の金字塔です。
■若者たち
監督:森川時久
主演:田中邦衛、橋本功
DVD発売元:ジェネオン・エンタテインメント