最後まで飽きずに観ることができるストーリー展開
■監督市川崑
■主演
船越英二、岸恵子、山本富士子
■DVD販売元
パイオニア
1961年に大映の配給で公開された、日本のサスペンスミステリー映画「黒い十人の女」。
当時としては、実にブラックでクールなストーリーです。
■あらすじ
テレビプロデューサーの風松吉は、かなりの女たらし。
妻の双葉(山本富士子)は、そんな夫に愛想をつかし、毎日レストラン経営に励むことで淋しさを紛らす。
女優の石ノ下市子(岸恵子)も、風松吉との付き合いに生き詰まりを感じている。
彼と関係を持っている女は1O人。
風松吉は、次第に女達の殺されるのではと妄想をするようになり、妻の双葉に相談。
双葉のレストランに愛人10人集まるが……
■おすすめの理由
当時のこの映画のポスターのスタイリッシュなこと。
ブラックな10人の女達が企む、殺しを彷彿させるような構図です。
そんなに悪気は無いけれども、無神経で気の小さい風松吉になぜか、惚れてしまう女達。
そしてその女達が美しい!
奥さん役の山本富士子のゴージャスでキリッとした美しさ、クールな美貌の岸恵子、可愛い中村玉緒ほか、宮城まり子、岸田今日子……と個性も様々な魅力的な女性達が素敵です。
モノクロ映画ですが、ストーリーも意外な展開で、最後まで飽きずに観ることができます。
映像も、ヨーロッパ映画のような洒脱な雰囲気があって素敵です。
誰にでも優しく、誰をも愛する優柔不断なプレイボーイを飄々と演じている船越英二の演技にも注目です。
「あんな男のどこがいいの」といいながらも、お互いに焼きもちを焼く女達。
こんなに苦しいなら、いっそのこと男を殺してしまえばいいんだ……という女達の気持が理解できないような、わかるような。
でも重たすぎず、軽すぎないあたりがよくできた面白い映画だなと思います。
ラストシーンもかっこいいですよ!