主役のザジが魅力的! 可愛くて痛快な家族で楽しめる映画
『地下鉄のザジ』
■監督
ルイ・マル
■主演
カトリーヌ・ドモンジョ
■DVD発売元
紀伊國屋書店
■ストーリー
母に連れられて初めてパリにやってきたおてんば少女・ザジの36時間を描く。
母親はパリについたとたん、ザジを弟のガブリエルに預け、恋人とどこかに出かけてしまった。
さらにザジが一番楽しみにしていた地下鉄はストライキで封鎖中……。
叔父さんの家に泊まったザジは部屋を抜け出し、パリの街へ飛び出す。
そこへ叔父さんがザジを追ってきていろいろな奇妙な人たちに出会い……。
地下鉄のザジは今から53年前の1960年に製作された映画です。
原作は数々の実験的な小説で知られるレイモン・クノー。映像化は難しいと思われた小説を、「死刑台のエレベーター」(1957年)や「さよなら子供たち」(1987年)などのルイ・マル監督が映像化しています。映画を見ていて興味深いのはスローモーションや逆回し、早送りなどが効果的に使われていること。たぶん当時にしては、それを作品内で使うことは珍しかったのではないかと思います。
そしてこの映画の魅力はやはり主役のザジ。オレンジ色のセーターを着たおかっぱ頭&すきっ歯の笑顔がとってもかわいい。おてんばで口も達者、大人をからかいパリの街を駆け回るザジはとても痛快です。60年代のパリの街並みもとても素敵です。ちょっとシニカルな部分もありますが、家族で楽しめる映画だと思います。