パッと恋愛に燃え上がれない、男と女の恋愛叙情詩
「男と女」
■監督 クロード・ルルーシュ
■主演
アヌーク・エーメ、ジャン=ルイ・トランティニャン
■ DVD販売元
ワーナー・ホーム・ビデオ
映画は観たことはなくても、この曲は誰でも聞いたことが必ずあるはず……。
それが、1966年に公開されたフランス映画「男と女」です。
監督は、フランスのクロード・ルルーシュ。
「パリのめぐり逢い」、「白い恋人たち」、「愛と哀しみのボレロ」などの名作を作ったことでも知られている監督です。
「男と安和」はカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞、主演はアヌーク・エーメと、ジャン=ルイ・トランティニャンです。
そして音楽はフランシス・レイ。
「ダバダバダ」というスキャットのこの映画音楽は、あまりにも有名です。
■あらすじ
娘を寄宿舎に預けている未亡人、アンヌ(アヌーク・エーメ)は、娘と面会の後、パリ行きの列車に乗り遅れてしまう。
そんな彼女に、寄宿舎にいる息子と面会した帰りで、妻を自殺で失っているジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)が声をかけ、車でパリへと送る。
それがきっかけで、二人は子供を交えて会うようになる。
そして、二人の間には消すことのできない愛が芽生え……
■おすすめの理由
まるで、ひとつの場面場面が、きれいな写真集や絵画を観ているようで、うっとりとするほど美しい。
そして、主役のアヌク・エーメがとにかくパーフェクト!というほど美しい。ほれぼれしてしまいます。
ある程度の大人になると、色々な過去もあるし、ましてや愛した人の形見となる子供もいるから、そんなに若い頃のように何も考えずにパッと恋愛に燃え上がれない。
そんな大人の距離感が、伝わってくるのが、切なくて素敵です。
モノクロ、セピア、カラーとシーンによって色彩が変化するのも印象的。
わざとそのような演出をしたのかと思ったら、実は低予算だったので、カラーを全体に使えなかったというエピソードがあるそう。
それが、この映画に不思議な美しさを与えているのかも知れません。
ラストは、二人で過去は過去として大切にしながら、これから踏み出す未来を予感させる感じで、
私としてはホッとしました。
観て良かった……そして、写真集のページを開くように、また観ようと思う美しい映画です。