驚異の完成度
ボディサイズは全長4265×全幅1800×全高1460mmで、全幅は1800mmの大台になっているが、これは日本の表示が5mm刻みであるからで、ドアミラー間のサイズなど実用性はほとんど損なわれていない。ただし、マンションの駐車場などが1800mm以下制限の立体駐車場などの場合は駐車できる場合が多いだろうが、注意と確認が必要だろう
7代目にスイッチしたフォルクスワーゲン・ゴルフが日本にやってきた。まず新型ゴルフ導入記念限定車「ゴルフ デア・エアステ」から投入し、続いてカタログモデルのゴルフTSIハイライン、ゴルフTSIコンフォートライン、ゴルフTSIトレンドラインを6月25日から販売するという流れになっている。
VWゴルフといえば25年もの間、輸入車ナンバー1の地位を確保し続けている「キング・オブ・ガイシャ」だから注目度はファンならず、日本の自動車メーカーからも注目度は高いはずで、各メーカーとも細部にまで分析をしているはず。
実際に第一印象は、日本の自動車メーカーを驚かすには十分過ぎるインパクトを放っているな! というもの。圧倒的な静粛性の高さ、スムーズなパワートレーン、内・外装のハイクオリティ、そして先進的な安全装備の満載と完成度の高さは、同じ輸入Cセグメントの中でも群を抜いている印象だ。
注目の気筒休止システム「ACT」
最初に試乗したのは、最上級のTSIハイラインで、1.4Lの直列4気筒DOHCインタークーラーターボを搭載。トランスミッションは湿式の7速DSG。アイドリングストップはもちろん、「ACT」と呼ぶアクティブシリンダーマネジメント、つまり気筒休止システムが搭載されている。
同システムは、アクセルを戻した際などエンジンへの負荷があまり高くない時に4気筒のうち2気筒を休ませるもの。エンジン回転数が1250~4000rpm、発生トルクが最大85Nm以内というから街中から高速、山道まであらゆるシーンで使われることの多い常用行きで作動する。
気筒休止の作動具合は、体感上まったく分からない。メーター表示で初めて確認できるほどショックも音も感じられない。しかもアクセルを踏み込めば、4気筒にすぐ戻るからパワーに不満も不安もない。こうした環境配慮型エンジンでありながら、スポーティに走りたい時には必要十分以上のハイパワーが炸裂するから恐れ入る。
試乗時はあいにくの土砂降りだったが、下界の騒がしさから遠く離れたような、静粛性の高さを実感させられたし、高速道路を飛ばしても絶大な安心感を満喫できた。新型ゴルフGTIも待ち遠しいが、TSIハイラインならGTカーとしての役割も十分以上に果たしてくれるだろう。
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