中国/中国の観光・世界遺産

モンゴル、首都ウランバートルと草原の楽しみ方(2ページ目)

あのチンギス=ハンがモンゴル帝国を建国したのが1206年。その帝国は、圧倒的な騎馬隊の戦闘力を駆使してユーラシアに史上最大の帝国を作り上げました。それから800年余、モンゴル共和国となった今でも首都ウランバートルにはその歴史の記憶が多く散りばめられています。かつて男達が愛馬と共に駆け抜けた草原は21世紀の今もかわらずモンゴルの大地に広がっています!

中原 健一郎

執筆者:中原 健一郎

海外旅行ガイド

町の中心はスフバートル広場

奥の政府宮殿にはチンギス=ハンが鎮座ますスフバートル広場。いつも多くの人で賑わう

奥の政府宮殿にはチンギス=ハンが鎮座ますスフバートル広場。いつも多くの人で賑わう

スフバートル像

スフバートル像

(旧)社会主義の国々の首都には、「広場」があり、ここウランバートルにも、赤の広場や天安門広場と同様にスフバートル広場があります。広場の中央には英雄スフバートルの像が、そして正面の政府宮殿にはもちろん、チンギス=ハンが鎮座ましています。

このスフバートル広場から半径1~2kmの中に、この国の都市機能のほとんどが詰まっているといっても過言ではないでしょう。

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ウランバートルはモスクワの趣き

市内中心部にあり、ひと際目を引く国立ドラマ劇場

市内中心部にあり、ひと際目を引く国立ドラマ劇場

ウランバートルの街並みは、旧社会主義国家独特の計画都市の様相を漂わせています。目抜き通りに沿って、良く言えば整然とした、悪く言えば無機質な箱形建物が並ぶ景観はまさに東洋のモスクワといった雰囲気です。

 
伝統的モンゴル文字で併記されている中国、内モンゴル自治区の道路標識

伝統的モンゴル文字で併記されている中国、内モンゴル自治区の道路標識

また、モンゴル語は現在はほとんどロシア語と同じキリル文字で表記されますので、町中のキリル文字がより一層“ロシア的”なイメージを醸し出しているのかもしれません。

伝統的なモンゴル文字は、こちら本国より皮肉にも中国の内モンゴル自治区内の方がずっと通用度が高いようです。

 
有名なノミンデパートとエンフタイヴァン大通り

有名なノミンデパートとエンフタイヴァン大通り

ウランバートルの目抜き通りはエンフタイヴァン(平和)大通りで、スフバートル広場やノミンデパートの前を東西に真っ直ぐ伸びています。ウランバートルに来てこの道を通らないことは不可能ですので、すぐに分かります。

 

庶民の市場、「ザハ」へ行ってみよう

ザハで見つけたオゴタイ=ハン印のインスタント紅茶

ザハで見つけたオゴタイ=ハン印のインスタント紅茶

ウランバートルにはザハと呼ばれる市場がいくつかあります。規模はかなり大きく、下手をすると迷ってしまいそう。中は所狭しと個人商店が並んで活気があります。売られているのはおよそ生活に関わるもの全てと言って良いでしょう。食料品、日用品、お土産にできそうな小物類まで、ありとあらゆるものがあります。モンゴルの暮らし向きを覗き見るには絶好の場所です。

市内中心部に近く、規模も大きい「ブンブクル・ザハ」が、後述のガンダン寺のすぐ隣りにあって行きやすいでしょう。但し、スリや盗難にだけは十分気をつけて!

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もう一つ買い物で訪れたいのが旧国営の「ノミンデパート」。ザハとは違い、服飾品などの高級品も扱っています。大きな店内で品揃えも多いですが、時には客より多い売り子、あちこち電気が消えて薄暗い店内などは、かつての中国やロシアを彷彿とさせる“国営”ならではの雰囲気です。

 

ウランバートルを一望、ザイサン・トルゴイ

ザイサン・トルゴイから眺めるウランバートル市街全景。草原のオアシスであることを実感できる

ザイサン・トルゴイから眺めるウランバートル市街全景。草原のオアシスであることを実感できる

ザイサン・トルゴイの内部

ザイサン・トルゴイの内部

スフバートル広場からチンギス通りを南に4kmほど進んだところに、農業大学とブッダガーデンという大きな仏像のある公園があります。そのすぐ東隣りにあるザイサン丘の頂上にあるのがザイサン・トルゴイという記念碑です。 

素晴らしいのはここからのウランバートル市街の眺め! まさに「一望」という言葉がピッタリです。

 

手をあげれば止まってしまう一般車も多い

手をあげれば止まってしまう一般車も多い

裏ワザになりますが、ウランバートル市内では普通の自家用車も相当数が「タクシー営業」をしています。方面が一緒の人同士の乗り合いになることも多いですが、スフバートル広場近くなど人の多いところでは、手を挙げて自家用車を止める人を多く見かけるはずです。

あくまでも裏ワザですのでおすすめはしません(特に夜間)が、正規のタクシーはそう多くはありませんし、比較的安価なためか実際に多くの市民が利用しているのが現実です。料金は交渉制です。

 

モンゴル仏教の総本山、ガンダン寺

モンゴル仏教の総本山、ガンダン寺

モンゴル仏教の総本山、ガンダン寺

モンゴルでは仏教が盛んですが、こちらの仏教は日本や東南アジアの仏教とはちょっと違います。別名ラマ教とも呼ばれるチベット仏教がこの地に根強く浸透しています。

 
チベット仏教に欠かせない法具、マニ車

チベット仏教に欠かせない法具、マニ車

ラマ教寺院には必ずあるのが、「マニ車」です。一般的には釣鐘のような形をしたものが多いですが、軸があって手で回すとぐるぐる回転するようになっています。側面には経文が刻まれていて、回転させることによって経文を読むのと同じ功徳が得られるのです。

マニ車のルールは、必ず時計回りに回すこと。他の参拝者の後に続いて同じ方向に回すようにします。

このマニ車、日本の寺院でもその影響を見る事ができます。私なら東の水沢観音、西は聖徳太子が建てた四天王寺の小さなマニ車が思い浮かびますが、みなさんはどうでしょうか。

次は、切っても切れないモンゴル人と酒
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