クライネ・レビン症候群の症状
クライネ・レビン症候群の特徴は、睡眠欲と食欲の異常な亢進です
クライネ・レビン症候群はまれな病気で、世界でもまだ200例ほどしか報告されていません。多くの患者さんが10歳代で発症し、男女比は4:1で男性に多く見られます。
風邪などの発熱、心身の疲労、深酒、頭のケガ、麻酔などがきっかけで、クライネ・レビン症候群になったという報告があります。また、過眠期の2~3日前から、軽い眠気や疲労感、倦怠感、頭が重い感じ、注意力や集中力の低下、胃腸症状などがみられることがあります。
過眠期には、とても強い眠気に襲われて、昼夜を問わず1日の半分以上を眠って過ごします。強い刺激が加わると目を覚ましますが、すぐまた眠ってしまします。トイレに行きたくなれば、自然に目覚めて自分でトイレに行きます。
クライネ・レビン症候群では過眠期の覚醒中に、食欲が異常に亢進するほか、性的な異常行動や放火・ひったくりなどの犯罪行為を起こすことがあります。意識のレベルも少し落ちていて、もうろうとしていたり、抑うつ、不安、焦り、不機嫌などを示すこともあります。
過眠期が終わりに近づくと、睡眠時間が次第に短くなり、気分が爽快になってきます。数日間、軽い躁状態になることもあります。過眠期は人によって、急に終わる場合とゆっくり終わる場合があります。
クライネ・レビン症候群の治療と予後
いくつかの治療法は試みられていますが、患者さんの数がとても少ないため、多くの患者さんに共通して効果がある治療法は、今のところ分かっていません。覚醒効果がある薬をつかっても、過眠症状をすこし軽くできるだけで、過眠発作をなくしたり過眠期を短くできません。予防としては、過眠発作の誘因となる発熱や深酒、心身の疲労を避けると、間欠期を延ばすことができた、という報告があります。
多くの患者さんで、クライネ・レビン症候群にかかった初めのころは、1~2週間の過眠期を何度も繰り返します。時間とともに間欠期が長くなり、過眠の程度も軽くなりますが、過眠期の長さは延びることが多いようです。
一般的に長期予後は良く、大部分の患者さんで10歳代で発症し、30歳頃までに自然に治っています。
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