分娩・入院費はいくらかかる?
元気にすくすく育ってね
出産費用(分娩・入院費)に関するデータでは、国民健康保険中央会のものがあります。それによると、出産費用の全国平均は2016年度で50万5759円(中央値49万3400円)でした。
都道府県別に見ると、東京の62万1814円が最高で、神奈川56万4174円、栃木54万3457円、宮城53万5745円も50万円を上回ります。一方、最低は鳥取の39万6331円で、熊本41万5923円も低くなっています。
■出産費用の高い都道府県べスト5
- 東京都 62万1814円(58万6000円)
- 神奈川県 56万4174円(55万8440円)
- 栃木県 54万3457円(54万6365円)
- 宮城県 53万5745円(52万8876円)
- 埼玉県 53万1609円(52万2660円)
■出産費用の安い都道府県べスト5
- 鳥取県 39万6331円(39万8130円)
- 熊本県 41万5923円(42万円)
- 沖縄県 41万8164円(41万8100円)
- 宮崎県 42万8157円(42万円6879円)
- 大分県 43万141円(42万7155円)
ここからは、分娩施設ごとの特長と平均費用をチェックしてみましょう。
「病院」の平均は51万円
「病院」とはベッド数20床以上を指します。産科専門病院などの「個人病院」もこのグループに含まれるほか、総合病院や大学病院なども含まれます。国民健康保険中央会のデータでは、「病院」での出産でかかる費用は平均51万1652円(中央値49万7340円)でした。ハイリスクな妊婦さんもいるためか、入院日数の平均は7日と長めです。
地方の公立総合病院では30万円台くらいから出産できるところもあり、安心感などから人気があります。大学病院・総合病院はハイリスクな妊婦さんが多いイメージがありますが、早めに予約すれば、一般の妊婦さんでも出産できます。
都内の有名私立大学病院や総合病院の中には、芸能人なども利用するいわゆる「ブランド産院」なども含まれます。差額ベッド代も含め、1泊3万円、4万円もする部屋もあり、出産費用が100万円以上かかるところもあります。
無痛分娩(「和痛分娩」と言っているところも)に対応している病院もあります。費用は1万~16万円程度上乗せになります。
「診療所」なら平均50万円
「診療所」とは、病院より規模の小さい施設を指し、ベッド数は19床以下のものをいいます。「産婦人科診療所」や「○○クリニック」という名称だと診療所の可能性が高いです。厚生労働省のデータでは、「診療所」での出産でかかる費用は平均50万1408円(中央値49万1300円)でした。平均入院日数は6日。
前出の「個人病院」や「産婦人科診療所」の中には、食事がおいしい、全室個室、記念品プレゼント、家族も宿泊できるなどなどいろいろなサービスで差別化を図っているところもあります。オプションで産後にフレンチのコース料理が出てきたり、中にはエステなどを受けられるところもあります。費用も、高いところでは80万~100万円超かかることもあります。
「産婦人科診療所」でも、無痛分娩に対応しているところもあります。費用は同様に、10万円程度上乗せになります。
「助産院」は平均46万円
助産院での出産は、各助産院によって状況は異なります。助産院によっては、入院分娩や自宅分娩+自宅訪問、入院分娩+自宅訪問を組み合わせるなどの対応をしてくれるところもあり、料金もそうした内容によって異なってきます。自宅出産の場合、自宅からの距離によっては出張費が別途かかったり、分娩時間が長くなったときには、追加料金がかかることもあるようです。
厚生労働省のデータでは、「助産院」での出産でかかる費用は平均46万4943円(中央値45万9860円)と、比較的安く抑えられています。平均入院日数が5日と短いことも、費用が抑えられている理由になっているようです。
利用できる産院の費用を調べる
平均出産費用を比較してみると、金額差はそれほど大きくないようですが、実際は地域やサービスなどにより差が出ます。さらに出産は個人差が大きく、分娩時間、休日夜間割増料金、投薬代、相部屋が満員のため個室になってしまった……など、その場になってみないとわからないことも多いため、ホームページなどで情報を出さないところもあるようです。かかる費用については、あとで驚くことがないよう、最初に大まかに把握しておきたいもの。問い合わせをしたり、ママ友からの口コミ情報を集めたりして、費用だけでなく、満足度も含めて選びましょう。
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