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アメリカの住宅事情(2ページ目)

昨年夏以降、諸事情により海外出張をする機会を得ました。その際に現地の不動産状況を確認&専門家と懇談を得る機会を得ました。

佐藤 益弘

執筆者:佐藤 益弘

不動産にまつわるお金ガイド

Q:Mr. Sato 一日一万件という差し押さえ物件があるということで、大変驚異的な数字ですが、それでは、いったいアメリカの競売制度のプロセスはどのようになっているのでしょうか?

A:Takeuchi アメリカの競売不動産はフォークロージャー・セールと呼ばれます。サブプライム問題以降、一定期間を過ぎた変動金利型ローンの金利上昇による支払額の増加や、景気後退による失業などにより支払いが困難となり何度(州によって違います)かの未払い後、銀行より未払い通知を受けます。それでも支払いができなくなった場合、当該物件を競売に付すことになります。州によって裁判所の判決によって処理される抵当流れ(司法競売制度)と、受諾者によって処理される法定抵当流れ(非司法競売制度)の2種類があります。一般的に、フォークロージャーと言う場合は「非司法競売」を指し、競売により売却できない不動産が銀行所有不動産となります。銀行は、競売不動産となりますと、自己資本比率に影響をきたすので、できるだけ物件を所有したくはありません。固定資産税、共益費等の維持費がかかる上、そこに居住するわけではないので建物・室内に損傷等が生じてしまい物件価値がさらに減額していきます。そのため、銀行は一刻も早く売却をしたいと考えます。売却するために、1)現地の不動産エージェントを通じて、2)オークション会社を通じて、あるいは3)ポートフォリオにしてバルクでの売却の手法がとられます。

Q:Mr. Sato オークション会社を通じて、差し押さえ住宅物件が売却されているようですが、どのような規模でオークションがされているのでしょうか?

A:Takeuchi 全米には、数々のオークション会社があり、全米各地で毎日のように住宅オークションが開催されております。多くのオークション会社は、ウェブ上で物件などを公開していますので、決められたオークションの日時までに、現地に行って査察したり、データを収集して予算に合わせてオファーを計画できます。
殆どの物件情報は内部や外部の写真がありますので、およその物件情報だ即座に入手できます。また、オークション会社によっては、世界中からアクセスできるように、ネットオークションを導入しています。これにより、手軽に物件を購入でき、それぞれのオークションに掛かる時間は、ほんの数分で購入契約となります。その後は、資金の振込み手続きや、名義変更などで15日前後の日数がかかります。代表的なオークションサイトはこちらのウィリアムウィリアムをご参考ください。

Q:Mr. Sato 日本からも、オークション物件の購入が可能でしょうか?

A:Takeuchi はい、それぞれの、ネットオークションに事前に登録しますと、購入できます。または、最近、日本においてそのような住宅物件を対象にした米国住宅投資ファンドができましたので、こちらの競売不動産投資のエキスパートからでも、かなりの情報が入手できます。

次回は、米国不動産オークションの詳細をご説明いたしますので、ご期待ください。
フォークロージャーのグラフ

フォークロージャーのグラフ



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