賃貸住宅経営において、建物の築年数は入居率や家賃を左右する非常に重要なポイントとなります。
実際に、築浅の期間は、すぐに空室が埋まるような人気物件であっても、築年数が経ち建物が老朽化するにつれ、入居者の確保が難しくなってしまうケースは数多く見受けられます。
しかし、入居者が確保出来なくなってしまう原因は、本当に「築年数」にあるのでしょうか。

お部屋を探した際、家賃以外で妥協したもののトップは「築年数」

築年数には意外と寛容

お部屋探しの際、家賃以外で妥協したもの

アットホーム株式会社が全国の一人暮らしをしている18~29歳の学生・社会人を対象に実施した調査「UNDER30 私たちの選び方 ~部屋探しのプロセス&マインド~(2013年首都圏)」によれば、「お部屋を探した際、家賃以外で妥協したもの」のトップは、学生・社会人ともに「築年数」という結果となりました。

「建物が古いのだから空室が出るのは仕方ない」と考え、空室対策を怠ってしまうオーナーさんもいらっしゃいますが、実際には、若い世代の多くは築年数について非常に寛容であることがわかります。
つまり、老朽化物件であってもオーナーさんの努力次第で入居率を上げることが可能であり、築年数を理由に満室経営を諦める必要は無いということなのです。

なぜ築年数が経つと入居率が下がるのか

新しい物件の方が設備が良い?

築年数により異なる設備

「築年数」を妥協する入居者が多いのであれば、築年数は入居率や賃料にあまり影響しないようにも思えます。しかし、実際には築年数の経過とともに入居者の確保は難しくなり、家賃を下げざるを得なくなってしまうケースが数多く見受けられるのは何故でしょうか。
その理由としては、「築年数が経った賃貸住宅は入居者ニーズを満たしていないケースが多い」ということが挙げられます。

入居者のニーズは時代によって変わるものであり、過去には主流であった設備や間取りが、現在では不人気設備となってしまうこともあるのです。例えば、過去には広く普及していたバランス釜や3点ユニット、1口ガスコンロなどは現在では不人気設備の代表となっています。また、間取りについても、近年は1部屋あたりの面積は拡大傾向にあり、昔ながらの20平方メートル未満の1Kタイプは現在の入居者ニーズを満たしているとは言えないのです。

実際に、同アンケートの「お部屋探しの際に最後まで重視した設備は何ですか」という質問に対し、学生・社会人ともに「独立したバス・トイレ」がトップという結果となっており、時代による入居者ニーズの変化がよく表れています。

築年数が経っても入居者を確保する為に

建物の立地条件を変えられないように、築年数についても建て替えをしない限りは変えることは出来ません。しかし、お部屋の設備やセキュリティー、内装・外観などの条件については、人気の設備の導入や外壁塗装によるデザインの変更などのオーナーさんの努力により、入居者ニーズを満たした内容とすることが出来ます。

築年数だけを理由に入居者確保を諦める必要はありません。積極的な投資により、「築年数に寛容な入居希望者から選ばれる建物」にする努力が必要なのです。
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