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わかりにくい国民年金の「未納」と「未加入」の違いは?

「国民年金の保険料の未納と未加入はどう違うのですか」と質問されることがあります。国民年金の保険料を納付していないという点は同じですが、未納と未加入では老齢年金の受給資格への反映が異なります。国民年金の保険料の未納と未加入の違い、そして老齢年金との関係がどうなるのか、みていきましょう。

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国民年金、未納と未加入の違い
平成24年の年金改正~保険料の後納制度
国民年金保険料、未納の理由は?

国民年金、未納と未加入の違い

未納とは、国民年金の加入が義務付けられていた期間にもかかわらず、保険料を納付していない状態のことをいいます。

現在の公的年金制度では、昭和61年4月(新法施行)に、原則20歳以上60歳未満で日本に住む人は、全員が国民年金への加入を義務付けられました。また、新法施行時に第1号~第3号の被保険者の種別制度が導入されました。

国民年金の加入者のうち、自営業者やフリーランスなどの第1号被保険者は自分で保険料を納付します。国民年金の保険料は期限までに納付しないと「未納」となります。納期限から2年以内であればさかのぼって保険料を納付できますが、2年を過ぎると時効により保険料が納付できなくなり、未納期間として残ってしまいます。

一方、未加入とは、国民年金への加入が任意とされたために、国民年金に加入せず保険料も納付していなかった状態のことをいいます。国民年金の加入が義務付けられていたわけではなかったため、未納と区別して未加入とされているわけです。

第1号被保険者は「日本国内に住所があること」という国内居住要件を満たしている必要があるため、海外に引っ越しをすると、国民年金の加入資格を喪失します。海外に引っ越しをした後も国民年金に加入を希望する場合は、「任意加入」という方法で加入することになります。ただし、強制加入ではないので加入しないという選択もできます。このように、国民年金への加入が強制でないために加入しなかった期間があるとその期間が「未加入」期間となります。

なお、現在の新法とは異なり、昭和61年3月以前の旧法時代は任意加入とされた人が多く、例えば次のような人も当時は国民年金の任意加入とされました。

■1.会社員・公務員の配偶者(昭和61年3月以前)
厚生年金(共済年金)に加入する人の配偶者は、旧法では任意加入の対象でした。したがって、昭和61年3月まで、任意加入しなかった期間は未加入期間となります。

■2.20歳以上の学生(平成3年3月以前)
現在では、20歳になると学生でも第1号被保険者として国民年金に加入しなければなりませんが、旧法では学生は国民年金へは任意加入とされました。なお、学生は経過措置として、平成3年3月まで任意加入とされました。したがって、平成3年3月以前の学生時代で、任意加入しなかった期間が未加入期間となります。

法律上、昭和61年3月まで(旧法時代)、国民年金に任意加入せず未加入だった人(上記1のような人)は、その期間中はカラ期間とされます。カラ期間とは受給資格期間(現在原則25年以上加入)には反映されますが、年金額には反映されない期間です。一方、昭和61年4月以降(新法)については、厚生年金(共済年金)に加入する人に扶養される配偶者は第3号被保険者(保険料納付済期間)となりました。

また、平成3年3月まで未加入だった学生(上記2のような人)についても未加入期間はカラ期間となり、受給資格期間には反映されます。しかし、平成3年4月以降は20歳以上の学生も強制加入となったので、保険料を納付しないと未納期間となってしまいます(ただし、学生には納付を猶予される特例制度があります)。

未加入期間と異なり、未納期間については年金額にも受給資格期間にも反映されません。例えば、昭和45年4月10日生まれの人が学生時代に保険料を納付していないと、国民年金の加入歴は以下のようなパターンになる場合があります。
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 上記のような例では、国民年金未加入期間については、カラ期間となり受給資格期間には反映されます。ただし、法律上加入が義務付けられた平成3年4月以降については保険料を払っていなかった期間は未納期間となり、受給資格期間にも反映されません。

「保険料を納付していなかった」という状況は未納・未加入とも本人にとっては同じものですが、受給資格期間への反映が異なることになりますので注意が必要です。