収納法の見直しはリビングから
整理収納アドバイザーの資格を取得した後に、もともと好きだったインテリアを整えようと、リビングの収納を見直したそうです。「子どもが体調の変化を訴えるのはリビングで過ごしているとき」。そう気づいた小林さんは、傷を洗った際に使うからという理由で洗面所に収納していた薬箱を、リビングのサイドボードへと場所を移しました。「いつ誰がどんな時に使うのかを考えて定位置を決めている」といいます。そのため、病院の診察券も近くに収納して、並べる順番は使用頻度が一番低い夫の診察券を一番奥にするという徹底ぶりです。 テレビの横にあるサイドボードの引き出しには、手紙好きの子どもたちが使うレターセットやスタンプ、ラッピング用品も収納されています。もらった手紙を読みながら返事を書くことが多いので、手紙の保管も同じ場所に。そして、スタンプはその場で押してすぐ元に戻せるようにと、上手にまとめられています。 「サイドボードの上にモノを置くと時計やカレンダーが見えなくなるでしょ」と子どもたちに教えているという小林さん。サイドボードの上では手紙の作業をするので、出しっ放しにしないよう、その理由をきちんと伝えているとのこと。何故そうするのかが分かれば、子どもたちも理解して片付けるようになるというわけです。 リビングのセンターテーブルで勉強することが多い子どもたちのために、テーブル脇にドリルなどの勉強用品をしまうバスケットを用意。テーブル下の棚はメモ用紙とリモコンの定位置。よく使うものが使う場所の近くにあれば、いつもすっきりとしたリビングがかなえられます。さらに、家族に説明しやすいしまい方の工夫が続きます。
収納庫はひと目で分かるように
LDKのドア近くにある収納庫は、家族が毎日通る分かりやすい位置にあります。そんな動線を考慮したうえで、家族全員に知っておいてほしいモノを収納する場所として、上2段の棚には写真や雑誌、本、説明書や学校関係の書類などが並べられています。子どもたちのアルバムは、自立する時に持たせるために名前と年代別にファイリング。家族写真もベストショットは2枚プリントアウトして、それぞれのアルバムに収めるのだそうです。 「誰が見てもすぐにわかるファイルにしました。電話で子どもや主人に説明すれば、すぐに見つけられる状態を目安にしています。書類整理には1カ月くらい時間をかけました」と話す小林さん。取り扱い説明書や保険、マンションの管理組合の書類など家に関するモノは、インデックスつきのフォルダーで整理。中身が増えた時に広がりやすいファイルは、ファイルボックスに収めてすっきり収納しています。どんどん増える学校関係のプリントは、スマートフォンで写真に撮り、不要になったら削除するのだそうです。収納庫下段の棚には、たまにしか使わないコーヒーメーカーやかき氷機、防災用品や非常食を収納。紙袋、お菓子作りの道具セット、おやつ類など種類が多くても、バスケットごとに入れ分けができていて、ひと目で分かるように整理されています。
子どもたちが使う部屋でも片付けやすさ満点の収納です。
姉妹が仲良く使えるクローゼット
子供部屋のクローゼットは、ハンガーパイプがL字型の据え付けタイプ。これをうまく利用して、子どもたちのスペースが等分に決められています。それぞれが使う収納ケースもお揃いで、2人の条件が同じになるようにして、仲良く整理できるようにとのこと。L字の角で使いにくい場所は、普段着以外の服が収納されています。 クローゼットの上段の棚には靴を収納。紳士用の半透明のシューズボックスを使い、靴の写真を撮ってプリントアウトしたものを側面に貼り付けて、見ればすぐわかるようになっています。ポイントは2足分の靴の写真を両面に貼っていること。「こうすれば季節で入れ替える時に、箱の向きを変えるだけ。写真を大きいサイズにすると目に入りやすくて、もう履かないかもと手放すきっかけになる」と小林さんはいいます。部屋の整理整頓の管理は自主性を尊重して
2人で使っている子供部屋には、壁に向かって机が2つ並んでおかれています。机の脇には小物を整理するための、キャスター付きのスリムな引き出しケースとバスケット。そして壁には棚が取り付けられ、本やファイルボックスが置けるようになっています。棚には余裕があるので、それぞれのスペースにマトリョーシカとティアラといった、お気に入りのアイテムを飾っています。 机の上には透明のシートを載せて、その下に学校のプリントが差し込んであります。学校に提出するものや時間割など大事なプリントなので、「机にモノを置いたり重ねたりすると、知りたい情報が隠れてしまうでしょ。だから机の上はいつも片付けておきましょう」と教えている小林さん。部屋の管理は2人に任せるようにして、時々チェックするそうです。「春休みなどまとまったお休みの時には、子どもと一緒に洋服や本の整理をします。このスペースに収まる量にするという基準があると分かりやすいようで、2人ともモノを減らせるようになってきました。私がうるさいからと思っているかもしれませんね」と小林さんはいいます。子どもでもできるやり方を説明することで、片付ける習慣が自然と身に付いているようです。
最後に、片付けるのが苦手な夫のためにできることは何?そのヒントをご紹介します。
整理整頓が苦手な夫には?
夫は片付けが苦手だから困るという声をよく耳にします。小林さんの場合も例外ではないようで、「スペースを作ってあげることで、持ち物を厳選してくれるようになりました」とのこと。夫が使う引き出しの中にアクリルボックスを入れて、大切にしている時計をキレイにしまえるようにしたそうです。また、普段使いの時計は、使いやすさを考えてオープン棚の取り出しやすい所に大切に置かれています。 そして本棚にもひと工夫。読まなくなった本で古本屋に売っていいという本が置けるようにと、専用の場所を決めたところ、自分で移動して整理しているとか。さらにクローゼットでも改善を試みています。出張でよく使うスーツケースのために、出しやすい場所を見つけてそこを定位置に。仕事の関係で使うことの多い冠婚葬祭用品は、ポケット状のホルダーに祝儀袋や香典袋、その他の関連アイテムを収納。これまでは、あることに気づかずに買ってしまうことが多かったそうですが、使いやすく改良されています。私がこんなに頑張っているのに何故協力してくれないの?小林さんにはそんな素振りが全くありません。押し付けるのではなく、どうしたら片付けやすくなるのかを考えているから、家族みんなが協力的。お片付けにやりがいを感じると語る小林さんは、さらにスキルアップを目指したいとのことでした。続編ではキッチン収納などもご紹介する予定です。どうぞお楽しみに。
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