せり上がるダイヤル式のシフトセレクターが斬新
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はジャガーXF(現行)をご紹介したいと思います。クルマの作り方も「新生ジャガー」のようで、同社としては初めてコンピューター上で車両をモデリングし、そこから実際にパーツを製作したのだそう。またヘッドライトの形状は従来のジャガーとの違いを際立たせます
それまでの「クラシカルなジャガー」というイメージを脱ぎ捨て、ガラリと変わったジャガーの最初の一台が2007年11月に登場したこのXFです。クーペのようなボディラインには広々としたラグジュアリーな室内が内包されています。
スタイリングもさることながら、ジャガードライブセレクターと呼ばれる、ダイヤル式のシフトセレクターも新生ジャガーを強く印象づけます。従来は「ジャガーのJの字」になっていたシフトゲートですが、XFからはシフトノブが消え、代わりにエンジンのスタートボタンを押すと、ニュッと円柱がせり出してくるタイプになったのですから。
ドライブセレクターがせり出してくるのと同時に、ダッシュボード上にある閉じられていたエアコンの送風口がクルッと回って開いた口がこちら側に向きます。これらの儀式はまるで「おはようございます。ではまいりましょうか」と、スタートボタンを押されたクルマが応えてくれるかのようです。
サイドウィンドウを囲むアルミニウムは、手の込んだ一体プレス成形で作られています。トランク容量は最大540Lで、後席を倒せばさらに+420Lと、どこへ行くにも困ることはない容量になっています
さらにグローブボックスは手を近づけるだけでセンサーが感知してスッと開きますし、同様にフロントシート上のルームランプも指先を近づけるだけで点灯/消灯します。先進的でかつスマート。
XFは実質Sタイプの後継車にあたりますが、Sタイプはクラシカルというかレトロ感満載でしたからね、特にその差が驚きであり、新鮮でした。
そんな新生ジャガーを代表するサルーンも発売から5年以上が経ち、ようやくおいしくなってきました。原稿執筆時点での最安値は2009年式3.0ラグジュアリーの248.8万円。走行距離は4.7万km、修復歴はありません。
ちなみに3.0ラグジュアリーの新車時価格は650万円ですから新車時の半額以下、約60%オフで中古車を手に入れることができるというわけです。
同年代のBMW5シリーズ(旧型)と比べると、ややXFのほうが高い感じですが、BMWはもう旧型でこちらはまだ現行モデル。また先述の通り見てわかりやすい最先端技術が搭載されていることを考えればその差は簡単に埋められ、おつりがくるほどではないでしょうか。
もちろんドライブセレクターだけがXFの魅力ではありません。次ページ以降でさらに詳しく見ていきましょう。