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「白鷺宝」だけではない「菓匠 花見」の魅力!

「白鷺宝(はくろほう)」に出会ったのは10代の頃。つるんと白くて丸い姿に、なんて美しいお菓子だろうと見惚れたことを覚えています。あれからかなりの時が経ちましたが、日本橋三越本店からのお便りで、あの「白鷺宝」の「菓匠 花見」がユニークな試みを次々発信していることに興味をそそられ、訪ねてみることに。

原 亜樹子

執筆者:原 亜樹子

和菓子ガイド

白鷺宝(はくろほう)

「白鷺宝(はくろほう)」に出会ったのは10代の頃。つるんと白くて丸い姿に、なんて美しいお菓子だろうと見惚れたことを覚えています。あれからかなりの時が経ちましたが、日本橋三越本店からのお便りで、あの「白鷺宝」の「菓匠 花見」がユニークな試みを次々発信していることに興味をそそられ、訪ねてみることに。

創業100余年「菓匠 花見」

「菓匠 花見」本店

「菓匠 花見」本店

「日本橋三越本店・本館」

「日本橋三越本店・本館」

埼玉・浦和に大正元年に創業した「菓匠 花見」。埼玉以外では、今回お邪魔した日本橋三越本店、東武百貨店池袋店、歌舞伎座にのみ支店があり、埼玉と東京でしか買えない味としても人気を博しています。

「白鷺宝」定番6種類に季節限定の味もあり

白鷺宝

手前がオリジナルの「白鷺宝」(1個74円)後方左から「玉しずく」「茶ちゃ」「ごま」「ていちゃ」「かふぇ」(以上1個各105円)「よろこぶ」(1個126円)

看板商品の「白鷺宝」。同店の2代目が、かつて国の特別天然記念物だった野田の鷺山(のだのさぎやま)で、水辺にたたずむ白鷺の美しい姿に魅せられ誕生したお菓子。黄味餡をミルク風味のコーティングで覆ったもので、丸く白い姿は白鷺の卵を模しています。

口に含むと滑らかなミルクの覆いの中からほろりと黄味餡が溶け出し、優しくまろやかな風味が広がります。日本茶やコーヒー、紅茶、そしてミルクなど様々な飲み物と相性が良く、幅広い世代から支持されているのも納得。良心的な価格にも注目です。
かふぇ

「かふぇ」コーヒーの香りとほろ苦さが餡と合う

白鷺宝にはオリジナルの「白鷺宝」のほか、定番5種類と季節限定の味があり、常時計7種類が揃います。中でも私のおすすめは「かふぇ」と「よろこぶ」。焼き上げた黄味餡をコーヒー風味の粒々が入ったミルクで包んだ「かふぇ」は、ほろ苦さと香ばしさ、サクサクとした食感が楽しめます。
よろこぶ

「よろこぶ」塩こぶが甘みを引き締める

塩こぶが入った黄身餡をミルクで包んだ「よろこぶ」は、旨味と塩味が絶妙のバランスで、ミルクの風味と思いの外相性がよく癖になりそう。

1つからでも気軽に購入できるので、色々試してお気に入りの味を見つけてはいかがでしょう。

上生菓子にもご注目

はさみ菊

「はさみ菊」(1個1,050円)大安の日限定・日本橋三越本店限定

お店を訪ねた日は大安。店頭には大安の日に日本橋三越本店限定で出しているという上生菓子「はさみ菊」が飾られていました。白餡をベースにした煉切にはさみを入れて菊の花を形作るもので、職人技の見せどころ。高い技術が要されます。

6日に一度訪れる大安の日のために、毎回たった1個だけ作られるはさみ菊。午前中に売れてしまうことが多いそうなので、鑑賞したい方、手に入れたい方はご注意を。
紫陽花

「紫陽花」(あじさい)(1個315円)純白の雪平が、淡い紫色を引き立てる

日本橋三越本店で、とても人気が高いという同店の上生菓子。煉切、きんとん、雪平(求肥の生地に卵白や白餡を煉りこんだもの)、ういろうなど常時5種類が揃い、意匠は季節により変わります。お茶席用に一度に何10個も注文する人から職場で食べるためと思しき1つだけ注文する女性まで支持層は様々とのこと。

今回私が選んだのは雪平の「紫陽花」(あじさい)。純白の雪平の上には、雨に濡れて輝きを増したかのような錦玉羹製の紫陽花の花。中に包まれた黄味餡と共に口の中でスッととろけ、甘さや香りを後に引きずらず、お茶の美味しさを引き立てます。
小菅弘氏

「優秀和菓子職」の小菅弘氏

同店を代表する和菓子職人の1人、小菅弘氏は和菓子職人の認定制度「選・和菓子職」にて第1回「優秀和菓子職」に認定され、「ひろしま菓子博2013」では工芸菓子が高い評価を受けるなど確かな技術で知られます。小菅氏をはじめとする熟練の職人技で作られる同店の上生菓子。白鷺宝ファンの方もお見逃しなく。

おやつには「揚そふと」

揚そふと

こし餡入りの「揚そふと」(105円)

ショーケース上の目立つ場所にずらりと並び目を引く「揚そふと」。さらりとしたこし餡が入った揚げドーナツで、素朴な美味しさに懐かしさを覚えます。

ほぼ毎日完売するという人気のお菓子。おやつにぴったりで、気取らない手土産にも喜ばれそうです。

今回訪ねた際は、日本橋三越本店の企画に合わせてトマト大福が並んでいましたが、このほかにも季節や行事ごとに日本橋三越本店限定でユニークな和菓子を考案しているとのこと。6月16日の和菓子の日、毎年9月と3月に開催されるONLY MI(「オンリー・エムアイ」客の声をもとに三越伊勢丹が企画した商品)キャンペーンなど、そのときにしか食べられない和菓子を求め、訪ねてみるのもおすすめです。


<店舗情報>
「菓匠 花見」
「本店」所在地:埼玉県さいたま市浦和区高砂1-6-10 浦和駅西口前 
「本店」電話:048-822-2573
「日本橋三越本店」店所在地:東京都中央区日本橋室町1-4-1 本館地下1階 
東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前」駅より徒歩1分ほか
「日本橋三越本店」電話:03-3241-3311(大代表)
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