土地活用のノウハウ/土地活用の資金と事業収支計画

自分に合った金融機関とローンの選び方(2ページ目)

賃貸経営は初期投資が大きな事業であり、建築の際には融資がつきものです。どんなに素晴らしいプランがあっても、融資が滞りなく実行されなければ絵に描いた餅に終わってしまいます。ローンを組む場合、「金利」「借入期間」「借入金額」の3つが重要なポイントですが、金融機関によりその条件には大きな違いがあります。それぞれの金融機関の特徴や、金利の違いをしっかりと理解し、自分に最適なローンを組むことが大切です。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド


変動金利と固定金利

融資には大きく「変動金利」と「固定金利」があります。
変動金利はそのときどきの金利情勢に合わせて、貸し出し金利が変動していくタイプ。長期ローンの月々の返済額もどんどん変わっていきます。
固定金利は最初に金利を決めてしまい、経済情勢の変化に関わらず、ずっと同じ金利、同じ返済額を払い続けるタイプです。

この違いはとても大きなものです。なぜなら、金利は日々、変動しているからです。
金利の世界では「1日、ひと昔」という言葉があるほどで、半年で1%程度変動することもあり、金融緩和があれば1月で大きく下がることも珍しくありません。
銀行員に聞いても、「数ヶ月後の金利がどうなっているかは、プロでもわかりません」と言うほどです。
賃貸事業を計画したときには有利な金利であったとしても、実際に融資が実行されるときには全く変わっていた、ということも十分あり得ます。
長期ローンを受ける場合、同じ金利なら、借り手にとっては固定金利の方が安心できますが、実際には固定金利の方が変動金利よりも高く設定されているものです。

固定金利にも5年固定、10年固定、20年固定など固定期間の違いによって、融資の金利が変わってきます。銀行によって融資のメニューも少しずつ違いますが、固定期間が長いほど金利は高めに設定されています。
変動と固定のどちらを選ぶべきかについては、借主の資金的バックボーンによって変わってきます。

十分な資産があって、いざ金利が急上昇したようなときには、いつでも返済できるという余裕があれば、割安な変動金利を選択するのがよいでしょう。
逆に金利が跳ね上がったときに返済できるような原資のない場合、そうした事態を織り込んでリスクマネジメントすることが必要です。
変動金利を選択し、ある時点で金利が上がって月々の返済額が急増した場合、手元の資金がないと、打つ手がありません。家賃は急には上げられないので、キャッシュフローが赤字化し、たちまち破産の危機に立たされてしまいます。
長期の固定金利を選択すれば、このような事態は回避できますが、支払金利は高くなり、利益率は下がってしまいます。

以上のように、どの金融機関を選択し、どのような借り方をすれば良いのかについては、事業計画の内容や借主の考え方によって変わってくるものです。出来るだけ多くの金融機関の情報を集め、自分に最も合ったプランを見つけることが大切になります。
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