その香りは、クセになる?!
タイ料理などではパクチーの名で通っているコリアンダーは、古代ギリシャの頃には既に栽培されていたという、古い歴史を持つハーブです。ハーブは独特な芳香を持つものが多いですが、このコリアンダーほどその好き嫌いが分かれるハーブはないかもしれません。その香りのため「カメムシソウ」という、どうにも不名誉な別名もあるほどです。
でも、スパイスとして用いられるコリアンダーの完熟した種(コリアンダーシード)は芳しく、葉とは香りが異なるところもユニークですね。
《 コリアンダー 》
- 学 名 : Coriandrum sativum
- 別 名 : パクチー、コエンドロ、香菜(コウサイ、シャンツァイ)、カメムシソウ
- 原産地 : 地中海沿岸など
- 科 名 : セリ科
- 属 名 : コエンドロ属
- 性 状 : 一年草
- 開花期 : 5月~7月
- 花言葉 : 隠れた長所
コリアンダーを種から育てる
コリアンダーは移植を嫌う性質なので、種を直まきして栽培するのがおすすめです。発芽適温は20度くらいで春と秋が種まき適期ですが、寒冷地を除いては秋まきにするとしっかりした株に育ち、収穫も長く楽しめます。右の画像ではやや大きめの丸い粒状の種に見えますが、この粒は指先でひねるようにして押すと二つに割れます。この割れた状態が、コリアンダーの種一粒になります。つまり、丸い状態のままでまくと芽が二つでてくることになるので、分割してから種をまきましょう。丸い粒は、軽く板ずりすると簡単に割れます。また種は、一晩水につけておくと発芽しやすくなります。
コリアンダーの植え場所は、日当たりがよく、水はけ・水もちの良い土が適しています。酸性土壌の場合には、種まきの2週間くらい前に石灰で酸度調整をしておきましょう。また、元肥として緩効性肥料を施しておきます。鉢植えにする場合は、市販のハーブ用培養土か、赤玉6:腐葉土4に元肥を加えたものを使います。
発芽は、種まき後2週間ほどかかります。その間、乾かしてしまわないように管理しましょう。発芽後は土が乾いたら水やりをして、混み入っているところを適宜間引きながら育苗します。
収穫は、葉が茂ってきたら若い葉を順に摘み取って使います。葉が茂る前、苗が充分に育っていない状態で葉を摘みすぎると、その後の生育に影響してしまうので気をつけましょう。
次ページは、コリアンダーを苗から育てる場合と、効能・利用法です。