東京ミッドタウン至近の閑静な住宅街
大がかりな面開発によって生み出された大規模マンションは、景観そのものを変えてしまうダイナミックなランドプランやスケールメリットを具現化した各種共用施設が魅力となる。しかし一方で、都心部の起伏に富んだ地勢を巧みにいかし、風景に溶け込むように佇む瀟洒な物件にも、それ特有の良さがある。規模もそこそこ、高さも目立たない。が、なぜか目を引く、気になる1棟。それは、上品な外観や風格を想わせるエントランス。そして、(これが最も重要な点ともいえるのだが)土地の顔が良いといった条件を兼ね備えている。土地の顔の良さとは、業界用語で「地形(じがた)や間口、傾斜の向きや接道の状態などを総評していう、不動産物件としての褒め言葉」。
「麻布第一マンションズ」は、紛れもなくそんな物件群のひとつだ。業界関係者はもとより、高級マンションを幾棟か見てきた方なら、あそこか、とわかるのでは。マンション名に「麻布」と付くが所在地は「六本木4丁目」。かつてこの一帯が広く麻布を呼ばれていたことから命名されたものと思われる。
そしてやはり、立地が秀でている。入り組んだ斜面の南傾斜地にあたり、間口は東南に幅広い。良好な条件である。道路は敷地の北側で接し、さらに東京ミッドタウン檜町公園の辻から伸びた道がT字に交わる。総戸数69戸ながら、これほど目に入りやすいポジションも珍しいというわけだ。前面道路をそのまま東に行けば、「パークマンション」や「プレステージ」といった大手デベの最上級グレードマンションが立ち並んでいるのだが、その中でも最も高台の位置していることも付け加えておかなければならない。