人気は「ナポリタン」、迫力の600グラム
通路から見えるL字のカウンターは7、8席。12時前でしたがすでに20人前後の行列です。この日のランチは“ココ”で、と決めていたので、迷わず一人、スーツ姿のビジネスマンの列の最後尾に加わります。注文は行列時に「何にしますか?」と先に聞かれます。事前に目当てのメニューを決めておくことが必要ですね。待つこと15分くらいでしょうか……無事着席。男性を中心にみんな黙々と食べるスタイルなので、行列の割に回転率は良いですね。注文の多くは同店名物とも言える「ナポリタン」(650円)です。私の前後の人たちも7割くらいが「ナポリタン」、もしくは「ナポリタン大盛り」というオーダーでした。私も2回目のナポリタンですが、その“物量”を知っているので、ノーマル「ナポリタン」を頼みます。手際よく次々と提供される各料理、座って間もなくナポリタンが登場です。しかし、量が多い……。同店では、この時点で料金を支払います。キャッシュオンスタイルですね。
スパゲティの量は600グラム。最初はそのビジュアルでやられて、「食べ残すかも……」と不安がよぎりますが、意外とすいすい食べ進めることができます。ナポリタンの具はベーコン、タマネギ、ピーマン。たっぷり使用するバターが効いています。粉チーズとタバスコも提供されるので、味の変化を楽しむなど、こちらはお好みで。
隣との距離もそれほど余裕のないカウンター、中心客層が男性ということもあり、女性一人で入るにはかなりハードルがありそうですが、巷の“ナポリタン”ブームも少し背中を押しているのでしょうか……中にはいますね、女性一人客も。他のメニューも量が少ないわけではないですが、ことナポリタンについては、その“量”について事前に心構え!? が必要かも知れませんね。
“通し営業”で、素朴な洋食メニューがずらり
むさしやでナポリタンに次いで人気があるのが、「オムライス」(700円)です。別日に伺った際にいただきましたが、これまた素朴で昔懐かしい見た目です。ケチャップライスを包む玉子焼きは薄め。その上からケチャップをかけた状態で提供されます。こちらもバターの風味を感じます。しかし、このオムライス、千切りキャベツとともに、しっかり隣にナポリタンが脇役を超える量!? 添えられています(笑)。ごはんものとパスタで迷っていたら、“重宝する”一品かも知れません。休みなしの通し営業もランチタイムを逃した人には嬉しいところです。
また、ナポリタンやオムライス以外に、ハンバーグ丼(お皿で提供ですが)やドライカレー、ミートソースのスパゲティーなど、洋食の王道メニューが揃い、すべてのメニューに小さな味噌汁が付くのも同店の特徴です。
“老舗の風格”、というよりも“新橋の味方”、“庶民(オヤジ)の味方”、というただずまいのこちら、いつまでも存在してほしい……そんな思いにかられます。
明治の鹿鳴館時代を誕生の源とする洋食店で、ランチはいかがでしょうか?
■むさしや
住所:東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル1F
TEL:03-3501-3603
営業時間:10:00~19:00(土曜日は11:00~16:00)
定休日:日祝
地図:Yahoo! 地図情報
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