不動産売却・査定/不動産売却の流れ・基礎知識

不動産物件情報データベース、レインズとは?(2ページ目)

物件情報が不動産会社共通のデータベースで管理されるようになり、インターネットを介してどこの不動産会社でも、極端な話、沖縄にある会社でも、東京にある物件を探すことが出来るようになりました。そのデータベースの管理をしている機関が、「不動産流通機構」というところで、データベースのことを「レインズ」と言います。

楯岡 悟朗

執筆者:楯岡 悟朗

土地活用・不動産査定ガイド



一般媒介に登録義務はありません

専属専任・専任媒介には、レインズへの登録義務はありますが、一般媒介は登録するかしないかは任意となります。登録しないことには、物件の情報が広まりません。どうせなら登録すべきなのですが、どういう時に利用するのでしょうか?

それは媒介契約を締結したときには既に取引がまとまっていて(よくあります)、形式上媒介契約を結ばなくてはいけない時です。専属専任・専任媒介で媒介契約を結んでしまうと、取引がまとまっているのにレインズへ登録しなくてはいけないし、取引がまとまりかけている不動産会社にとって、裏で取引を進めてきた物件が他の不動産会社の目に触れてしまうのを極度に嫌がります。どこでどんな横やりが他不動産会社から入ってくるかが分からないからです。そうした場合に一般未登録として媒介契約を締結するのです。

自分の物件は登録されているの?

レインズで情報が公開されているとはいえ、それで万事うまくいっているかといえば、残念ながらそうではありません。媒介契約を締結した不動産会社にはレインズに物件を登録する義務があります。しかし物件の情報を広げたくない一部の不動産会社はそうした義務を逃れる方法として、一度だけ物件を登録し登録証明書を発行した後すぐに削除します。そのようにして物件の情報を抱え込んでしまうような不動産会社もあります。

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データを変更した時にも証明書が発行されます。



また、近年のIT化に一切ついていけない、地元で長く地主さん相手に営業している不動産会社などは、こうしたネットワークなどは使わずに、いまだに電話とFAX、それと個人的な人脈に頼って活動しています。どちらもそれぞれの会社の都合ですが、情報を流して広くお客さんを募ってほしいと願う売主さんにとっては良いことではありません。

せっかくレインズと言う、一昔前までは考えられないような情報流通システムが利用出来るのですから、登録のルールはルールとしてしっかりと守って、すべての不動産会社が適正に運用していくことが何より求められています。

不動産会社に売却を依頼する売主さんも、こうしたレインズの仕組みをよく理解しておけば、不幸にも物件の情報を抱え込んでしまうような不動産会社に依頼してしまった際に、

「うちの物件、レインズには登録されているんですか? 登録証明書送られてきてないんですけど?」

と、けん制することが出来ます。しかし、もしそのような会社に依頼してしまったら、すぐにでも媒介契約を他の不動産会社に乗り換えるのが最も良い対策だと思います。
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