ソウル発、男女の等身大の恋を小粋に描く『カフェ・イン』
『カフェ・イン』 (C)AMT
相手をからかってみようと思ったジミンは、カフェのお客になりすまして早朝に店を訪れますが、意外にも好意を抱き、急接近。何も知らないセジンは、夜にはダサい容姿に変装するジミンに「恋のコーチ」を頼みます。しばらくはうまくいくものの、やがてジミンの嘘がばれることになり…。
『カフェ・イン』 (C)AMT
そして、二人っきりの芝居だと気づく間もなく、観客を舞台に引き込むのが、出演者のユン・コンジュとキム・ドヒョン。コンジュさんはこれまでに『ラ・マンチャの男』アルドンサ、『レント』のミミなどを演じ、現地のミュージカル大賞で何度も人気スター賞を獲得している人気女優とあって、なめらかな歌声は安定感抜群。またドヒョンさんは『王になった男』『笑の大学』などストレートプレイにも多数主演する俳優で、そののびやかな声とともに、大人の男の色気ふんぷん、余裕ある演技が素敵です。
この二人にかわり、6日からは『壁抜け男』『風月主』などで多彩な役どころを演じ分けるク・ウォンヨン、ミュージカル版『冬のソナタ』でジュンサンを演じたイ・スが出演。前キャストとはまた違ったフレイバーで、この薫り高いミュージカルを見せてくれそうです。
アミューズ・ミュージカルシアター (C)AMT
主演俳優キム・ドヒョン ミニ・インタビュー
キム・ドヒョン AMT
――今回のジミン役をどんな男性ととらえ、演じていらっしゃいましたか?
「ジミンは、豪快で、友達が沢山いて、いつもその中心にいるような存在。そして、女性には手は早いが、決して悪い人ではないので、女性が気軽に付き合い易い男性。また、経済的に豊かで育ちがよく、ゆとりある人生を送っている。ユーモアもあって、世の中を常に前向きに、明るく見ているような人物です。
また、ダサい男に扮装した時のジミンは、例えば5人姉妹など大人数の女性の中で育ったような、女性というものをよく分かっている男の子ととらえています。
いっぽう、彼がセジンをからかうために現れるジョンミンは、歌詞でセジンが歌っているとおり、全ての女性の理想像だと思います」
――様々な作品に出演されているようですが、ミュージカルはどのように修業されたのでしょうか?
「はじめはストレートプレイの世界だけで活動していました。お芝居には、決してミュージカルでは表現出来ない奥深さがあると信じ、それを追求してきたからです。
そんなある日、あるミュージカルのとあるナンバーに衝撃を受け、ミュージカル俳優を目指す事を決意。オーディションを受けては落ちるという日々が続きました。
そこで役者を休業し、アルバイトで生計を立てながらボイストレーニングを受けました。2年後、ついにオーディションに合格し、ミュージカル俳優の道に進むことが出来ました。
その作品こそが、自分をミュージカルという新しい表現の世界に導いてくれた『ジキルとハイド』です。
この作品で2006年には来日公演(韓国版)にも参加することが出来ました」
――日本の観客はいかがですか?
「韓国のミュージカルファンは20代から40代を中心に、とてもマニアックなお客様が主流となっています。
一方、今回、アミューズ・ミュージカルシアターで演じてみて、日本のお客様の幅の広さに驚きました。年配の方から小さいお子さんまで、皆さんとても真剣に作品と向き合って下さっていたので、演者としてとても演じ甲斐があり、手ごたえを感じました」
――どんな役者を目指していらっしゃいますか? 今後出てみたい作品などありますか?
「目指す役者像は、いつも観客と向き合うことの出来る俳優です。
作品を問わず、観客の存在の大切さを忘れずに演じていきたいです」
実はドヒョンさん、アミューズ・ミュージカルシアターの今後の上演作品で、再度来日する可能性もあるそうです。役者としての誠実なスタンスを忘れない彼が、別の作品でどんな姿を見せてくれるか、楽しみですね!
*公演情報*『カフェ・イン 愛は偽り?!』上演中~2013年5月19日まで アミューズ・ミュージカルシアター http://www.amuse-musical-theatre.jp/ 公演中は毎日、多少観づらい席の当日券が、枚数限定の「テハンノシート」として1枚3000円で売り出されます。一度韓国ミュージカルを観てみたいけど予算が…という方、まずはこちらでお試しになってみては?