記憶術の可能性がわかる
1冊の本に記憶術のすべてが詰まっている
記憶術を学び始めてたった1年で、全米記憶力選手権のチャンピオンにまでなった著者が書いた本です。
著者はその大会でトランプ1組52枚のカードを1分40秒で記憶し、全く間違いがなかったといいます。
「52枚のトランプを記憶するなんて、いくら時間をかけてもできない……」と思われるかもしれません。
ましてや「たった1分40秒なんて……」
(ちなみに当時の世界記録は30秒だったそうです)
しかし、この本にはそんなあなたと同じだった著者が、1年でここまでできるようになる過程が、詳細に記録されています。
本書を読むことで記憶術とはどういうものか、それをどう具体的に活用していけばいいのか、そして、記憶術の可能性がわかります。
記憶術の限界がわかる
しかし、本書がほかの「記憶の達人」が書いた本と大きく違う点があります。それは記憶術の真実の姿、その限界を書いていること。
著者は全米記憶力選手権を制した後の自分の記憶力について、次のように書いています。
「マジカルナンバー7」というのは、人が一度聞いて直後に再生できる記憶容量7個前後であること。「記憶の宮殿」というのは「場所法」などとも呼ばれる代表的な記憶術で、記憶した事柄をイメージに変換し、そのイメージを場所や目印に結びつけていく方法です。「作業記憶は、万人を束縛する「マジカルナンバー7」によって制限されたままである。うまくイメージに変換できず、「記憶の宮殿」に格納できない情報を記憶するのはいまだに苦手だ。記憶のソフトウェアはアップグレードされたが、ハードウェアは本質的には変わっていなかった。」(P331)
(これについては「今すぐ使える記憶術―平成の総理大臣覚えてますか?」で詳しく解説したので、そちらをご参照ください)
つまり、驚異の記憶力を持つような人も、ある記憶の仕方を身に付けただけであってベースとなる脳の記憶力は変わらなかったのです。
トランプのカードの順番を一瞬で記憶できるからといって、なんでもほかのものを記憶できるわけではないのです。
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