「国から見捨てられたよう」という人も
補助金を頼りに治療をしてきた人たちからは、やはり「とてもがっかりした。国から見放されたような気持ち」といった声が聞こえてきました。まだ30代の人も、治療が少し長引けば40代になります。日本では一番たくさん体外受精を受けているのは39歳。そのあたりの年代は全体の3割が補助金に頼っていて、「40歳、41歳くらいなら妊娠している人は周りに何人もいる。なぜ39歳で切られるのか」といった悲痛な声がいくつもTwitterに流れていました。こうしたネット上の声について、体外受精をしている人たちが集まる掲示板で知られる妊娠と出産のサイト「babycom」を主宰する鈴木賀世子さんはこう言います。
「年齢の高い人たちほど、高齢妊娠の難しさが骨身にしみてわかっています。だから、年齢制限はあった方がいいと言うのでしょう。でも、そうやって経済力のない40代の人をあっさり切り捨ててしまうと、あと少しで妊娠できるかもしれない人の可能性をつぶしてしまうかもしれませんね」
未婚の女性にも衝撃
「もうひとり欲しい」と思っている育児中の人も、40代の出産力は気になるところ。
40歳に近づいたある女性は、卵子の老化現象について知ってはいるものの、今も未婚です。でも、できれば今から結婚して子どもを持ちたいと思ってきました。しかしニュースを聞いた時は「自分は、もう国が警告するほどの年齢なのか」と感じ、愕然としたそうです。
2人目、3人目出産にも萎縮ムード
「もうひとり欲しい」と思いながら育児をしている女性からも、とてもショックだったという声が聞かれました。2児の母で40歳になろうとしているある女性は、3人目を考え始めていましたが、このニュースで「もう、遅いんだ」と感じて次の子を出産する自信がなくなったと言います。40代は、そんなに妊娠しにくいのでしょうか?