妊娠の基礎知識/妊娠の基礎知識

40代の不妊治療は無駄なの?(5ページ目)

本当のところ、40代の妊娠力はどの程度なのでしょうか? 厚労省の研究班は「40代の体外受精は有効性が低く危険でもある」と報告しましたが、そこをじっくりと検証しました。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

 

妊娠できる人がチャンスを逃すのは残念

戸外で遊ぶ母親たち

寿命がみんな違うように、出産できる年齢の限界も人それぞれ。

上限年齢は、高すぎれば油断してしまう人を増やすかもしれません。でも低すぎれば、年齢の割に妊娠しやすい人、実力のある施設で治療をしている人が妊娠チャンスを逃してしまう可能性があります。

子どもを持ちたいと思う人が減っている今の日本にとっては、妊娠しにくい年齢層の妊娠力も貴重な力ではないでしょうか。
 

40代の自然妊娠について

終わりに40代の自然妊娠についても簡単に触れておきます。この記事で見てきた出産率はあくまでも「体外受精の効果」であって、自然妊娠できる人も含めた、日本中の40代女性全体の妊娠力について述べてきたわけではありません。


遅く結婚してもすぐに自然妊娠ができた40代女性は、体外受精を受けに行きません。40代は、何回体外受精を繰り返しても妊娠できない夫婦がいる一方で、特に努力もしないのに自然妊娠をしてしまう人もいる非常に個人差が大きい年代です。
 

はじめからあきらめることはない

分娩を扱っている病院では、40代でも、初産婦さんの7割、経産婦さんの9割は自然妊娠をした人です。子どもがたくさんいた戦前には40代まで産み続ける人は珍しくありませんでした。

アラフォー年齢でこれから産みたいと思っている人にとって、自分が、妊娠しにくい年齢集団のひとりだと知ることは非常に大切です。しかし、個人の妊娠力は、妊娠しようとしてみなければわかりません。試みもせずに、はじめからあきらめる必要はありません。

 
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