妊娠の基礎知識/妊娠の基礎知識

40代の不妊治療は無駄なの?(4ページ目)

本当のところ、40代の妊娠力はどの程度なのでしょうか? 厚労省の研究班は「40代の体外受精は有効性が低く危険でもある」と報告しましたが、そこをじっくりと検証しました。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

 

スウェーデンは38歳、フランスは42歳、イスラエルは45歳まで助成

フランスの国旗

フランスでは42歳まで治療費が助成される。国により上限年齢は違う。

年齢制限がもうけられている国は海外には多いのですが、何歳で線が引かれているかというと「スウェーデンは39歳まで」「フランスは42歳まで」「イスラエルは45歳まで」など実にばらばらです。これは、体外受精の年齢制限がいかに難しいかを雄弁に物語っているのでしょう。
 

40代も、初めのうちなら妊娠しやすい人がいる

妊娠力は、実際にはかなり大きな個人差が存在します。卵巣の中にある卵子の数は、同じ年齢の人でも同じではないのです。

「卵子の在庫数」は、最近は、アンチミューラリアンホルモン(AMH)検査という血液検査でわかるようになりました。

30代でも、この値がとても低い人もいます。ある女性は、この検査で思いがけない結果を受け取りました。38歳にして、閉経直前に相当する値だと言われたのです。

逆に、40代でも30代並の妊娠力を持つ人もいます。「40代でも妊娠しやすい人がいる。特に40歳、41歳くらいでは多い」という言葉は不妊治療に携わる医師、そしてベビ待ちの友人が多い不妊治療中の人からも非常によく聞かれます。
 

妊娠率は、病院・クリニックによる差も大きい

ネットを見る夫婦

その年齢なりの力を最大限引き出してくれるクリニックを選ぶことも大切。

体外受精には「不妊治療施設によって妊娠率に差がある」という事実も存在します。

時間が限られているアラフォー女性の場合、個人にあったオーダーメイドの治療を的確にすすめてもらえるかどうかはとても重要。それが、結果の明暗を分けることになりかねません。

不妊原因の半分を占めると言われる「男性不妊」の有無、閉経を早める「喫煙」、やせすぎ、肥満、また婦人科疾患や過去の出産経験(初めての妊娠か、2人目以降か)なども女性ひとりひとりの妊娠しやすさに影響を与えます。
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