1780年創業 ナポリピッツァ「マルゲリータ」発祥の店 ブランディ
1886年6月、かつてイタリアがまだ一つの国になっていない頃、トリノにあるサヴォイア王家のウンベルト一世と女王マルゲリータ夫妻が、ナポリを訪問した際に、1人のピッツァ職人が、ナポリ王の宮殿カポディモンティに呼ばれました。献上したいくつかのピッツァのうち、マルゲリータ王女が最も気に入ったのが、トマトソース、モッツァレッラ、バジリコを使ったものでした。これを大変お気に召した王女さまがその名前を聞くと、ピッツァイオーロ(ピッツァ職人)が、「女王様にちなんでマルゲリータと名付けてよいでしょうか?」と聞いたことから、南イタリアの名産をのせたこのピッツァは、「マルゲリータ」と呼ばれるようになりようになりました……とさ。
と語り継がれるマルゲリータ発祥の歴史。このピッツァ職人が、ラファエレ・エスポジトという、ピッツェリア・ブランディのオーナーだったのです。
ブランディの創業の歴史は、なななんと!1780年に遡ります。日本が江戸時代の頃です。ピエトロ・コリッキオというピッツァ職人が開いたピッツェリア「Pietro e Basta cosi (ピエトロ・エ・バスタ・コズィ)」が前身。子孫がなかったピエトロ氏が、エンリコ・ブランディ氏に店を譲渡したところから、「ブランディ」となりました。エンリコ氏の娘マリア・ジョバンナ・ブランディの夫が、件のラファエレ・エスポジトというわけです。
ナポリのブランド店が立ち並ぶキアイア地区にあり、マルゲリータ女王からの手紙も残る店内は、観光客も多く、日本人旅行者でも入りやすい雰囲気が漂っています。サイズはやや小さめで、厚みがある生地。パスタなど他のメニューもあります。
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■Brandi
住所:Salita S.Anna di Palazzo, 1-2
TEL:081-416928
営業時間:12:30~15:00 / 19:30~24:00
定休日:祝日・日曜夜・8月第2・3週
アクセス:トリエステ・エ・トレント広場からキアイア通りに入り、看板が見えたら右手