「スキル」=独自「技術」は、組織最大の武器である
「スキル」は組織成長の源
実例をあげて、「スキル」が組織において果たす役割を見てみましょう。
「スキル」=「技術」の一番分かりやすい例としては、シャープがあげられるでしょう。戦後、松下電器、ソニーなどに同じ非財閥系家電メーカーとして台頭したものの、規模や知名度の点でこの両社から差をつけられたことで、ややニッチな製品群を特徴とした独自路線を歩んでいた同社。しかし、電卓開発で培った液晶技術に優れたものがあり、これを強みとして活かすことで、液晶PC、液晶テレビ伸展の時代に「液晶のシャープ」として一躍脚光を浴び家電メーカーの王道にたどりつくことになるのです。
独自「スキル」は組織成長を支える武器
松下電器のプラズマに打ち勝ってシェアナンバー1を確立した「液晶のシャープ」は、日本製の品質を前面に押し出した液晶テレビ“亀山モデル”(シャープの主力テレビ工場が存在する三重県亀山市に由来)「AQUOS」で隆盛を極めます。その後、国際競争激化による液晶価格の暴落や地デジ実施以降の国内テレビ需要一服感などの影響で、経営面で深刻な危機に直面している状況にはありますが、現在なおスマートフォンの電力消費を抑える点が大きな注目を集めている省エネ液晶IGZOの開発により、液晶技術という独自の「スキル」を軸に復活を虎視眈々と狙っているところでもあるのです。