定年・退職のお金/退職金の運用方法

どれがお得?退職金専用定期の金利をチェック!(2ページ目)

最近の退職金専用金融商品は定期預金単体で金利を優遇するものが多く、長期の定期預金や投資信託とのセットは少数派です。当記事ではセット商品は除外し、3ヵ月(6ヵ月)定期預金の金利を優遇しているものをピックアップしました。また、1年定期預金で運用した場合とも比較しました。さてさて軍配はどれに……。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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6ヵ月後の受取利息はどちらが多い?

退職金500万円を、退職金専用定期預金の3ヵ月定期と6ヵ月定期で運用した場合、6ヵ月後に受け取る額はいくらになるでしょうか。

3ヵ月定期預金(当初3ヵ月の定期預金金利は1.8%、満期後3ヵ月の定期預金金利は0.025%(2013年4月19日の店頭表示金利)とする)で運用した場合、6ヵ月後の税引き後受取り総額は、501万8129円です。

一方、6ヵ月定期預金(適用金利は1.0%)で運用した場合、6ヵ月後の税引き後の受取り総額は501万9867円。3ヵ月定期預金コースより約1700円多くなります。
3ヵ月定期と6ヵ月定期undefined6ヵ月後の受取り額の比較

※クリックで拡大します※
2013年4月19日筆者が作成


退職金優遇定期預金に軍配が!

退職金専用定期預金は高金利といっても、預入期間が3ヵ月や6ヵ月と短期です。比較的高い金利を提示している銀行の1年定期預金に対する優位性はどうでしょうか。オリックス銀行のeダイレクト預金1年定期預金(300万円以上1000万円未満)と比較してみましょう。

オリックス銀行eダイレクト預金1年定期預金(300万円以上1000万円未満)の金利は0.27%(2013年4月19日現在)です。500万円運用した場合の1年後の税引き前受取り利息は、500万円×0.27%=1万3500円になります。

前出の6ヵ月定期預金(適用金利は1.0%)では、6ヵ月後の税引き前受け取り利息が2万4931円(税引き後の受取利息は1万9867円)です。退職金専用定期預金の優位性が際立ちます。

利用できる人の条件は?

退職金専用定期預金を利用できる人の一般的な条件は下記のとおりです。
  • 退職金を受け取ってから1年以内
  •  1人1回の利用
  •  「退職所得の源泉徴収票」など退職金受取り金額が確認できる書類の提出
預入金額や満期後の取扱いなど、諸条件は金融機関によって異なりますので、一覧表にまとめて比較することをお奨めします。

年金受取り指定でこんな優遇もある

退職金専用定期預金の際に年金の受取り指定をすると、優遇金利を更にアップする金融機関もあります。また満期後の受け皿として年金受給者向けの定期預金――多くは1年定期預金――で金利を上乗せする、という退職金と年金の囲い込み戦略の金融機関も出てきました。

例えば豊田信用金庫。厚生年金・共済年金・国民年金の受取り指定で、「とよしんゆとりプラン」の上乗せ金利が1.0%から1.2%に0.2%アップし、年金受給者向け定期預金「お達者くん」で、1年定期預金の金利は「店頭表示金利に0.3%上乗せ」となります。


2013年4月時点の定期預金の金利はお飾り程度という銀行が多く、退職金専用定期預金の優位性は驚くほどです。退職金だけでなく年金受取りも含めて利用する金融機関を決めると、思いのほか高金利で運用できることがありますので、先ずは近くの金融機関から調べてみてはいかがでしょうか。


※取り上げた金融機関や金融商品などは、退職金の運用の一例であり、推奨しているものではありません。運用の目的や期間、諸条件を基に、自分に最適の金融機関と金融商品を選択してください。


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