フレンチ/東京のレストラン

ピエール・ガニェール氏 インタビュー&新作メニュー(2ページ目)

奇才ピエール・ガニェール氏。その華麗なる経歴はすでにご存じの方も多いので、今回はANAインターコンチネンタルホテル東京店も丸3年になる今の心境などを伺いました。インタビューだけでなく2013年5月から登場する新作メニューも、ご紹介しながら、サービス精神たっぷりで常に進化を続けるカニェール氏のお人柄をお伝えします。

岩谷 貴美

執筆者:岩谷 貴美

グルメガイド

渾身の新作メニューはスフレ!!

渾身の新作メニューはスフレ!!

「スフレ・ア・ラ・ヴァニーユ・パルメザン、オリーブ・オイルでマリネした花ズッキーニ、3種のソルベを添えて」
3990円(消費税込、サービス料別)
販売期間 :5月1日(水)~6月30日(日)まで
※付け合せは食材の都合で変更になる場合があります。
ガニェール氏が自らトッピングを

ガニェール氏が自らトッピングを

アイスやオレンジのシロップをかけて

アイスやオレンジのシロップをかけて    

こうして出来上がった新メニューですが、サプライズはまだ続きました。

私達が焼き立てのスフレを撮影しているそばから、ガニェール氏がスプーンにのっている3種のアイスやオレンジのシロップをかけ、さらにはスフレを割りはじめたのです。ちゃんと写真が撮れているか心配になりましたが(笑)、新メニューの食べ方まで自らデモンストレーションしてくれるサービス精神に脱帽でした。

チーズが入っているので、スフレ部分だけを食べるとチーズの塩っ気を感じられますが、ショコラのアイスをのせた部分はスイーツ感覚です。
表面をバーナーで焼き上げた部分がカリっとしていていますが、スプーンで中をすくうとプルプルフンワリなので、ちょっとマカロンを彷彿とさせる食感でもあります。ココナッツとホワイトチョコ、ポワールとターメリック、ショコラ3種類のアイスで、さまざまな味の変化も楽しめます。

今までに食べた事のない新感覚のスフレを堪能しながら、いよいよインタビューを開始します。
新作メニューにご満悦のガニェール氏

新作メニューにご満悦のガニェール氏

―新作メニューのポイントやインスピレーションの源は?
ガニェール氏:チーズを使った料理を作りたいと思ったのですが、単にチーズだけでなく、甘さも塩分も噛み合わさり色んな味を楽しめるスフレにしました。スフレって、ちょっと不思議な食べ物なんですよ。アイスクリームや野菜などを合わせることで、色んな魅力が引き出されます。また、お肉や魚料理と一緒に食べるのもオススメです。もちろん、シャンパンやコニャック、洋梨のスピリッツアーとの相性も最高ですね。

天才料理人といわれるガニェール氏の今は?

―同店がオープンして3年になりますが、満足している点は? また、まだ満足していない点はありますか?
ガニェール氏:もっと良くしたい部分もありますが、それはまだナイショです(笑) でも、世界的に主要都市である東京で、私の家族のようなスタッフに恵まれ、そのスタッフが私のスピリットを分かってくれている事にすごく満足しています。

35年間料理をやってきましたが、最初から良い時期ばかりじゃありませんでした。色々大変な時期も乗り越えてきたので、今はこのように恵まれた環境とチームで料理を作れる事にとても感謝しています。

―この3年でご自身の中で料理に対する考えに変化はありましたか?
ガニェール氏:日々より良いものを皆さんに提供しているつもりですが、料理に対する考えに変化はありません。私のテイストを皆さんに分かって頂きたいのがモットーなので、オルジナルティがあり、他には無いものを常に作り続けています。そして、何よりも先程の貴方のように、私の料理を食べて笑顔になってもらえるのが―番嬉しいですね。

―今、注目している食材や調理法は? 挑戦したい料理などはありますか?
ガニェール氏:食材や調理法だけでなく、常に色々なものに対して耳と目を開いています。例えば器だったり、たまたま頂いたお菓子のパッケージだったり。色んなものをインプットしているので、その小さなアイデアの積み重ねが新しいメニューのきっかけになったりもしますね。

―2005年の日本に初進出した頃に比べ、日本のお客様は変化していると思われますか?
ガニェール氏:前は皆さんすごく緊張していてフロアーがシーンとしていたりしましたが、最近は皆さんとてもリラックスして楽しくおしゃべりしながら料理を楽しんで頂いているようですね。

でも、これだけ新しいものがどんどん取り入れられ、洗練された感覚をもっている日本の方々に、私の料理を長く受け入れて頂いていることを、とても名誉に思っています。

―日本にいらっしゃる時に楽しみにしている事や訪れたい場所、お店はありますか?
ガニェール氏:これまで、北海道から東北、関西、沖縄まで色々な場所に行きましたが、どこも素晴らしいので、また色んな場所にゆっくり行って色々な発見をしたいですね。

食事は和食が大好きで、日本に来ると必ず寿司や天ぷら、蕎麦などを食べています。今日のランチで食べたお寿司もとっても美味しかった! 特にウニが最高でしたね。

―ご自身のマイブームは? お休みの日は何をしていますか?

ガニェール氏:スポーツや読書が好きです。特にスポーツはストレス解消にもなりますし、身体にも脳にもとっても大事だと思っています。最近は仕事の合間によくウォーキングをしていますね。東京に来ても、この辺りを歩いていますよ。

休みはあまりありませんが(苦笑)、やっぱり時間があると料理の事を考えています。

すべての質問に分かりやすいエピソードを交えながら丁寧に答えてくれたガニェール氏。本当に料理が好きで、常に料理の事を考えている事が伝わってきました。

料理に対する真摯な姿勢と、スタッフを家族のように大切にする気持ち、自分の料理を食べに来てくれているゲストを心から楽しませようとするサービス精神。どれもが私の想像を遙かに越えていました。料理・スタッフ・ゲスト全てに対して常に誠実だからこそ長年に渡りフランス料理界のトップに君臨出来ているのだと、深く納得出来る90分のインタビューでした。これからもゆらぐことのない信念に基づき、さらに進化を続けるガニェール氏の料理がとても楽しみです。


■ピエール・ガニェール
住所:東京都港区赤坂1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京 36階
電話:03-3505-1185(レストラン予約センター) 
営業時間:
【Lunch】12:00~14:00(L.O.)
【Dinner】18:00~21:00(L.O.)
定休日:月曜日・火曜日
地図:yahoo!地図

追記:4500円のお得なランチメニューが新登場!

ガニェール

この日のメインは甘鯛のウロコ焼き

2014年2月1日より、新しいランチメニュー「カルト・ブランシェ」が登場。これは、新鮮な素材を使用した日替わりのお任せメニューで、前菜、メイン、デザート、コーヒー、小菓子で4500円(税込み・サ10%別)! アイデアに溢れた料理の質はもちろん、量も十分満足できます。「一度食べて見たいけれど、手軽ではないので行けていない」という方にとてもオススメです。

※上記データは記事公開時点のものです。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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