緻密な凛々しさの中に、華がある!
YUKI SHIRAHAMA BOTTIERの作品の一例です。シンプルなデザインですが、いかにも持ち主の足元を自然に引き立ててくれそうです。製作者である白濱結城氏の真摯な姿勢が、靴全体から浮かび上がって来ます。
だから紳士靴の世界でも、作品を見るだけで「この人ひょっとしたら、出身、もしかして?」などと想像できるケースが多いのです。そんな場合、たとえドンピシャではなくても九割がた九州に縁のある方なのですが、今回ご紹介するYUKI SHIRAHAMA BOTTIERの靴の第一印象も、その期待を全く裏切らないものでした。上の写真の靴でお解りかと思いますが、華がありながらもカチッとした塊り感を受けるが故に、「大丈夫、何とかするから、任せなさい!」的な頼れるべき風格を感じるのです。
YUKI SHIRAHAMA BOTTIERを主宰する白濱結城氏は、正に福岡の出身! そして自らのアトリエを開く前に、国内外の優れた環境の下で修業を積み重ねることができた経歴の持ち主です。東京・浅草にあるギルド・ウェルテッド・フットウェア・カレッジ(現サルワカ・フットウェア・カレッジ)を卒業後、まず日本におけるイタリア的誂え靴のパイオニアとして熱心なファンも多い神戸のスピーゴラにて、鈴木幸次氏の下で研鑽を積みます。更にパリに渡り、1971年創業の老舗グランムジュールメゾンであるアルタン(ALTAN)にて、創業者一族のシュクル・センソズル(Sukru SENSOZLU)氏からフレンチスタイルの様々な技法を学び受けた上で、2010年に帰国し、地元福岡で遂に自らのアトリエを立ち上げたのです。
白濱氏が彼一人で創り上げている靴は、彼の誠実な思いが靴の至る所に表れています。例えば下の写真のブローギングの部分をご覧あれ。穴の開け方そのものの丁寧さだけでなく、革と革との境目の処理も文句無しに綺麗ですよね。でも決して神経質に見える訳ではなく、どの作品も骨太で凛々しい印象を有しているのです。東京では今年の春はあっという間に時季が過ぎてしまいましたが、桜の花に例えるとソメイヨシノやヤエザクラと言うよりは、美しくも逞しいヤマザクラでしょうか。 (註:YUKI SHIRAHAMA BOTTIERを主宰する白濱結城氏の「濱」の字は、本来はこちらのホームページのプロフィール欄に書かれているものが正解です。システム上この記事では正確に表示できない点をお詫び申し上げます)
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