公示地価の下落トレンドが縮小
全国では、被災地の高台 東京圏は神奈川が上昇
3月21日に国土交通省から発表された、平成25年の公示地価によれば、平成25年の公示地価は、リーマンショック以降の下落トレンドが続いているもののその割合は縮小し、全国の住宅地の平均は-2.3%から平成25年は-1.6%に、東京圏では-1.6%から-0.7%になっています。全国の住宅地の変動率上位を見ると、宮城県、岩手県、福島県など東日本大震災の被災地が連なり、津波被害で需要の増した高台の住宅地などが大きな上昇率になっています。
一方東京圏に目を向けると、トップ上位10地点を神奈川県が独占し中でも目立つのが川崎市中原区です。中原区の4地点はすべて再開発で街の変貌が著しいJR横須賀線・湘南新宿ライン・南武線・東急東横線・東急目黒線「武蔵小杉」駅徒歩圏です。
「武蔵小杉」界隈は、地価LOOKレポートでも4四半期連続で上昇するなど商業地の地価上昇も顕著なエリア。現地を訪ねその要因を考えてみたいと思います。
スーパーターミナル駅「武蔵小杉」
東京、新橋、品川、新宿、渋谷、目黒、横浜、川崎、池袋へダイレクト
品川駅から横須賀線で「武蔵小杉」駅へと向かいました。乗車時間はわずか10分。2010年3月に武蔵小杉にJR横須賀線の新駅がつくられましたが、このことにより品川・新橋・東京といったオフィスゾーンが一気に身近なものになりました。JR東日本のHPによれば開業前の2009年の乗車人員(南武線のみ)は、76,831人。これが開業後の2011年には、103,624と大幅に伸びています。
また、同駅は東急東横線・東急目黒線など複数の路線が地下鉄の路線と相互乗り入れしているのも特徴で、乗り換えなしでダイレクトに行ける駅が、メジャーなオフィスゾーンを挙げても、東京駅、新橋駅、品川駅、渋谷駅、新宿駅、横浜駅、川崎駅、そして東横線の副都心線への乗り入れでこの春、池袋駅にもダイレクトに行けるようになりました。
そうした利便性の高さゆえに、ここ数年供給される新築マンションの売れ行きも軒並み好調です。居住人口も同駅の位置する中原区は増え続けており、人口ボリュームの増加を見込み商業施設が増えさらに便利に。居住ニーズが高まり、開発がさらに進む好循環が続いています。
東口側の街を歩いていると、クレーンが何本も配置された大規模な開発敷地が見えます。ここでは、セブン&アイホールディングスによる大規模な商業施設が計画されているようです。
次のページでは、さらに武蔵小杉の街をレポートします。